前回はアジカン、前々回はBUMPの書籍について記した。今回は、フジファブリック編だ。
フジも紙媒体がどちらかと言えば多い方だと思う。そしてどれも読み応えのある本ばかりだ。
主な本の簡単な紹介、個別で書いた記事の順を載せた。
音楽系書籍は、再版されることが少ないので、欲しい! と思って見かけたら、すぐ買うのをおすすめする。
それぞれの本の簡単な概要
『FAB BOOK』は、フジファブリック初のアーティストブックである。内容が本当に充実した一冊なのだ。メンバーが生い立ちをそれぞれ語るインタビューから(幼少の写真も掲載)、過去の音楽雑誌に載ったアルバムごとのインタビュー、連載、メンバー発案企画、ツアーの写真など見応え充分の一冊なのである。
『東京、音楽、ロックンロール』はボーカルギター志村くんがホームページで更新していた日記と、インタビューをまとめた書籍である。まず本人の言葉で彼の日々や妄想が綴られている、というところがすごい。内容も充実しており、分厚い本だ。でも面白いので、あっという間に読んでしまう。この本を読んだあと、フジファブリックを好きになれて良かったなあと心底思った。
『志村正彦全詩集』はその名の通り、志村くんが作詞した楽曲の歌詞がすべてのっている青色のハードカバーの素敵な本だ。一編一編、詞を丁寧に読みながら曲を聴いた夜は良い思い出である。
『週刊金澤 2007-2014』はキーボードのダイちゃんが連載していたコラムを書籍にまとめたものである。これがまた読み応えがあって面白い。志村くんは内に内に心情を吐露したり、もがいたり暗い一面もさらけ出す一方で、ダイちゃんは本当に日々の何気ない一編を切り取ったような案配が絶妙だ。志村くんの日記と被っている期間など、そういう目線で読むのもまた面白いのだ。そして金澤ダイスケという人の視線の優しさが全体的に伝わってくる文章だなあ、とも思う。文字が羅列されることによって、人それぞれ全く文章の手触りが変わるということが、本当に面白いと思う。また、ダイちゃん不在・メンバー対談(欠席裁判)や、アジカンゴッチなどとのミュージシャン仲間との対談があるのも嬉しい。
志村くんの日記もダイちゃんの本も、どちらも本人の振り返り加筆があり、過去とその後の視点で語られているのも面白い。
総くんのアーティスト本もとても面白い本だった。それまで語られなかった部分の生い立ちなども書かれていて目から鱗のような感じであった。また、総くん不在・メンバーとBOBOさんトークセッション(欠席裁判)も大変良かった。そして、色んなアーティストからのメッセージもまた良いのだ。様々な目線で山内総一郎が語られる大充実の一冊である。ギターについての内容ももちろん満載で、フジファブリックの音楽とは、に近づけた気がする本だ。
パンフレット類も読み応えがあり、写真も良い。ツアーパンフレットが大好きなのでまた出して欲しいな、と思う。
書籍について一覧と、個別に書いた記事の紹介
『FAB BOOK』(角川マガジンズ 、2010年)
『東京、音楽、ロックンロール』( ロッキングオン 、2009年、完全版は2011年)
『志村正彦全詩集』(2011年)
『週刊金澤 2007-2014』(2014年)
『Guitar Magazine Special Artist Series フジファブリック 山内総一郎』(2016年)
『別冊 音楽と人×フジファブリック』(2019年)
『SESSION IN THE KITCHEN』(2015年)ダイちゃんとアジカン潔の共著料理本
○パンフレット
『フジフジ富士Q 完全版上映會 パンフレット』(2011年)
『「Light Flight」TOUR pamphlet』(2012年)
『HALL TOUR 2013“VOYAGER”パンフレット』(2012年)
『"LIFE" TOURパンフレット』(2014年)
その他
こういう本たちを読むことによって、色んな視点を手に入れ、フジファブリックというバンドがより立体的に見えた気がする。この人たちからあの素晴らしい音楽は生まれ、そして今、私のなかで響き渡っているのだ。大好きなものについて知ることが出来るのは嬉しく、そして喜ばしい。だから私は本を読む。
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