『FAB BOOK』というフジファブリックが詰まった本

『FAB BOOK』(角川マガジンズ 、2010年)という本がある。フジファブリック初のアーティストブックだ。今回はこの本について書く。

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『FAB BOOK』の概要

現在、通常の流通にはないようで、手に入れられるとしたら中古というのしか思い浮かばない。良い本なので、ぜひ再版して欲しい1冊だ。前回書いた『別冊 音楽と人×フジファブリック』との違いといえば、たくさんあるが、ひとつは初期から2009年リリースのアルバムまでの流れが詳細に分かるところだろう。

サイズは、よくあるハードカバーの単行本よりひとまわり大きいくらい(1、2cm程度)、ちょうどA5サイズの本である。アジカンの、「Talking Rock!」インタビューをまとめマジックディスク期に出版された本と同サイズだ。本棚におさまりが良いので、このサイズはかなり好みである。
さて、内容はというと、少し前述したが、初期から2009年のフジファブリックが立体的になる本である。この『FAB BOOK』と志村くんの日記本、ダイちゃんの日記本を併せて読めば、まさに立体造形みたいになるのでおすすめだ。
『FAB BOOK』、公式のスペシャルサイトでは内容の紹介とキュートなオフショットが見られるので、ぜひ覗いてみると良いと思う。

個人的な見所

さて、この本の見所はたくさんあるのだが、まず写真がとてもよい。泣きそうになる。沖縄ロケの写真からはじまり、メンバーそれぞれの幼少期など、様々な場面が収録されている。幼少の彼らからも、それぞれ今の面影が見えて、すごく面白い。ダイちゃんなんか、はじめっからダイちゃんでとても微笑ましい。ツアーの写真や、富士急での写真など彼らの色んな表情が載っている。
そして、収録されている膨大なテキストは、本当に読み応えがある。メンバーそれぞれがフジファブリックになるまでと、それ以降の話、CDリリース時のインタビュー、アルバム1曲1曲に解説があるのも嬉しいポイントである。「一緒に散歩したいフジファブリック〜日中編〜」で引用した「ペダル」の話もここの部分からだ。
そうだったんだ~というエピソード盛りだくさんで、知りたい欲が存分に満たされる。真面目な話から面白部分までむぎゅっと詰まっている。

圧巻なのは、『CD&DLでーた』での連載が収録されている部分だ。本当にこの人たち色んな挑戦しているなあ、と思った。赤富士通信といい……(「フリーペーパー冊子と『赤富士通信』の話」)。この連載の中では、今でもたまに話題へのぼるツイスターゲームの様子も掲載されているので、必見である。

「変なおじさんとヲタ芸の動きだけは、志村君さえてるな」

p.175

という名言も飛び出す始末だ。

後半には民生さんをはじめ各アーティストからのメッセージがあり、胸が熱くなる。
最後には3人のコメントや年表も載っている。

分厚くて、フジファブリックへの愛が詰まった1冊だ。見かけたらぜひ、ページをめくってみて欲しい。

【今日の曲】
フジファブリック「クロニクル」『Official Bootleg Live & Documentary Movies of “CHRONICLE TOUR“』(2019年)

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