カップリング曲(B面)の話~フジファブリック編~

カップリング曲編について以下のように書いてきた。
カップリング曲(B面)の話~導入編(BUMP、アジカン、フジを例に)~
カップリング曲(B面)の話~BUMP OF CHICKEN編~
カップリング曲(B面)の話~ASIAN KUNG-FU GENERATION編~
今回はフジファブリック編だ。

フジファブリックのカップリング集は『シングルB面集 2004-2009』というのがある。これは現体制以前のカップリング曲をまとめた音源だ。ただ、このCD、現時点だと入手難易度が高い。今後再販される可能性はなきにしもあらずだ。説明しよう。
『シングルB面集 2004-2009』は、2010年に発売された『FAB BOX』というボックスに付属していた。2014年にもこのボックスセットは復刻版としてリリースされたのだ。そもそも『FAB BOX』は内容が超充実のヤバい箱なのだが、その話はいずれ書こうと思う。
B面の話に戻る。
『シングルB面集 2004-2009』内の楽曲については、
「Cheese Burger」
食べるときに聴きたいフジファブリック
「セレナーデ」
眠れないときに聴きたいフジファブリック

以上の記事に綴った。いつか総くんに「スパイダーとバレリーナ」をライブで歌って欲しい。

さて、ではB面集発売以降について書いていく。
2012年発売『Light Flight』
「JOY」
バンドには寡黙なタイプがひとりいる」にも登場した楽曲だ。正直めちゃめちゃ好きな曲である。イントロから可愛らしくって頬が緩む。不思議でファンタジックな、まさにこのシングルのジャケットのような1曲だと思う。紺色の世界に光の粒が弾けるような、素敵な踊りを彷彿とするようなメロディが印象的だ。以前の記事にも書いたが、作詞作曲が加藤さんというのもよい。あの人のなかからこういう質感の曲調と歌詞が出てくるのがギャップを感じてグッとくる。個人的な意見だが、カップリングには可愛らしい曲が多い。ツボに突き刺さる曲も多い。

2014年発売シングル『LIFE』
「Surrender」
雨の日に聴きたいフジファブリック」で綴った。

2014年発売『ブルー / WIRED」
「ホーランド・ロップ」
先ほどカップリングには可愛らしい曲が多い気がすると書いたが、これぞまさに! という1曲だ。イントロからウサギが跳ねているようなメロディがすこぶる可愛い。はじまりましツアーでこの曲を聴いたとき、フジファブリックに心底惚れたのだ。ライブではアコースティックライブ、ハナレフジなどでも演奏されていた。ダイちゃんが椅子の上で跳ねていたり、永積くんが腕をぱあっと開いて楽しそうだったのは今でも昨日のことのように思い出せる。音の重なりも心地よく、転がるような鍵盤も素敵な最高の1曲である。

2016年発売『SUPER!!』
「夜の中へ」
外国感のある1曲だ。フジの曲のなかでも異色だと思う。この曲も作詞作曲が加藤慎一なのである。一時ちょこちょこライブで演奏されていた。曲調がヘンテコになる部分など特に楽しかった思い出がある。遊び心溢れた1曲だ。

2016年発売『ポラリス』
「PRAYER」
泣きのフジファブリックだ。ゆったりとした曲調と、切実な歌詞に胸が打たれる。「若者のすべて」「破顔」「手紙」が好きな人には、とくにグッとくるのではないだろうか。

2017年発売『カンヌの休日 Feat. 山田孝之』
「Here」
この曲もまた泣きのフジファブリックである。山内総一郎は本当にこういう曲がうまい。表題曲が「カンヌの休日」という飛び抜けた1曲の一方で、カップリングがある種の本道というのも印象的だ。ゆったりしたフジファブリックが特に好きな人にぜひ聴いてみて欲しい歌だ。

フジも最近特に配信が多くなってきたり、両A面の形態のため、カップリング曲が増えなくなった。また、フジの特徴的な部分としては、シングル表題曲のインストバージョン(歌なしバージョン)が収録されていることも多い。
ちなみに2012年発売『徒然モノクローム / 流線形』にはカバー曲の「ぼくらが旅に出る理由」が収録されていた。フジのピコピコした感じや爽やかさが絶妙に効いており、心に涼やかな風が吹くような仕上がりになっている。

カップリングを聴いただけでも、フジファブリックは幅広いなあと思う。感動する曲、変な曲、可愛らしい曲、格好いい曲、本当にバラエティ豊かだなと感じた。彼らのある種の自由さが大好きだ。

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