「カップリング曲(B面)の話~導入編(BUMP、アジカン、フジを例に)~」で、カップリングとは何か、どういった曲かという話を書いた。
前回では、より詳細な話としてBUMP OF CHICKEN編を綴った。
そして今回は、ASIAN KUNG-FU GENERATION編だ。
ある程度カップリング曲が増えると、アルバム(編集盤)としてリリースされることが多い。アジカンは特にマメだと思う。このカップリング集を発売できるのは、どんな曲だろうと真摯に作ってきたバンド、アーティストの特権なのである。
BUMPは2008年に発売された『present from you』というカップリング集があるのは、前述の記事で書いたとおりだ。アジカンの場合はどうか。“フィードバックファイル”として、カップリング曲などをまとめた編集盤がリリースされているのである。
2006年発売『フィードバックファイル』(~2006年までの楽曲)
アジカン『フィードバックファイル』話
2014年発売『フィードバックファイル2』(~2013年までの楽曲、カップリング曲だけではない構成)
アジカン『フィードバックファイル2』の話
ではこれ以降の曲について書いていこう。
2015年発売『Easter』
「パラレルワールド」「シーサイドスリーピング」
「パラレルワールド」は“潔の暴れロック”パート2である。ドラムの潔が持ってきた曲にこの冠が付くようなのだが、“潔の暴れロック”の元祖楽曲「冷蔵庫のろくでもないジョーク」では、歌詞に面白い仕掛けが施されている。どこかハードな曲調、跳ねるドラムが印象的だ。
「シーサイドスリーピング」は紛うことなき名曲である。「嘘とワンダーランド」以来の喜多建介ボーカル曲だ。ファンが歓喜に沸いたのは言うまでもない。どこかのインタビューでゴッチが、建ちゃんの曲は歌詞が金沢区から出られないみたいなことを話していたのが妙に印象に残っている。ゆったり午睡を楽しめるような弛緩した雰囲気がクセになる。昼下がりにぴったりの1曲だ。後述する「八景」という曲に並ぶ、横浜は金沢八景で聴きたい歌でもある。Wonder Futureツアーで嘘ワンに続けて披露されたのは最高だった。
2016年発売『Re:Re:』
「タイムトラベラー」
まさかの喜多建介ボーカル曲第3弾である。建ちゃんの歌声って爽やかなんだよなあ、と思う1曲だ。建曲は浮遊感というか少し不思議な地に足が付いてないような雰囲気が好きだ。後述する「八景」と供に20thツアーで演奏された。ライブでの喜多建介コーナーが定着しつつある。
2016年発売『ブラッドサーキュレーター』
「八景」
まさかの喜多建介ボーカル曲第4弾である。この曲、実は喜多曲で嘘ワンの次にライブで演奏されているのではないだろうか。前述した20thツアー、そして今年行われたホームタウンツアーでも演奏されている。まさに「八景」そのものだ。曲の構成も、建曲らしくて嬉しくなる。ギターリフが耳に残るのも特徴的だ。このゆったり感も、ならではだと思う。
2017年発売『荒野を歩け』
「お祭りのあと」
まさかの喜多建介ボーカル曲第5弾である。イントロから笑えてしまうような、やっぱりらしさの溢れる曲だ。ギターが格好いい。そもそもこの曲、タイトルが“祭りのあと”ではなく“お祭り”としているところが良いな、と思う。
今確認したら、World Tour 2017でしか披露されていなかった。そうそう「稲村ヶ崎ジェーン」を聴けたのも最高だったのだ、この公演。
ここまでくると、フィードバックファイル3(仮)は喜多建介アルバムやないか、と思ったりする。
2018年発売『ボーイズ&ガールズ』
「祝日」
めちゃめちゃ格好いい1曲。イントロから昼下がりの路地裏みたいな雰囲気にワクワクする。ライブで聴きたい。歌詞も印象深い箇所が多く、考えさせられた。ベースの山ちゃんが作曲している。疾走感があるアジカンが好きな人は突き刺さると思う。後半は、電子音で軽やかさが付加されるのも良い。
ちなみに2015年発売『Right Now』には表題曲の他、Wonder Futureツアーのライブ音源が収録されている。これがまた素晴らしい。
何度も書いているが、いつかフィードバックファイルツアーをやって欲しいと願ってやまない。
喜多ボーカルについては「アジカンのギタリスト喜多建介が歌うのだ!」という記事があるので、あわせて読んでもらえると嬉しい。
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