眠れないときに聴きたいフジファブリック

以前、「オリジナルアルバムで好きな曲とは?~フジファブリック編~」という記事を書いた。縛りを入れないと、書けないほど各曲への思い入れが強い。だから今回もテーマを決めて、楽曲を紹介しようと思う。
縛りは、タイトルにもあるように「眠れないときに流したいフジファブリック」だ。

2004年発売アルバム『フジファブリック』
「夜汽車」
本当に大好きな1曲だ。夜の帳が下りるときのような、あるいは真夜中のシンとした空気のような、穏やかで美しい楽曲である。この曲を聴くと、安心して眠りに落ちることができる。アコーディオン(多分)とギターをつま弾く調べが心地よく響く。間奏のメロディにはうっとりしてしまう。
志村くんの声は本当に独特だなあ、と思う。伸びやかな声が心に染み渡る。瞼の裏には、透き通った夜の情景が映るのだ。よい夢を見ることの出来そうな曲である。

2007年発売シングル『若者のすべて』
「セレナーデ」
イントロに流れる虫の音色に心が落ち着く。その雰囲気のせいだろうか、秋夜の涼やかな空気を思い出す。歌詞もまた眠れぬ夜にぴったりだ。どこか夢を見ているような世界観が愛おしい。曲のなかでの、オルゴールを開けたときのような、夢のなかで遊園地に迷い込んだような、可愛らしい展開も印象的だ。余談だが、この曲を聴いて思い出すのは「JOY」「have a good time」「前進リバティ」という楽曲たちだ。こういう不思議なフジファブリックも大好きなのである。
「セレナーデ」 、最後の一音の不安定感がまた良い。

2016年発売アルバム『STAND!!』
「the light」
この曲は、上記2曲と毛色が違う。安定した音というよりは、不穏のにおいをかすかに感じる1曲だ。ただ、その一方で音の重なりが大変心地よい。ライブで観たような、あの、透き通る青い光が脳裏に浮かび、心を満たす楽曲だ。総くんの歌声も耳に優しく届く。歌詞もどこか儚くて、寂しくて、優しく、青い。不思議な音の響きと質感が特徴的な楽曲だと思う。金澤ダイスケは、こういうどこかきらきらして淡い楽曲が本当うまいなあと思う。

さて、この題材で書くとしたら、この曲は、はずせない。
2010年発売アルバム『MUSIC』
「眠れぬ夜」
正直、この楽曲では眠れない。聴くと感情が過多になる。外側は涼しげな顔をしているようだが、その実、内にはぐつぐつ煮えたぎるような熱のこもった曲だ。歌と鍵盤だけのイントロから徐々に楽器が増えていく様子が胸を打つ。志村くんの歌声が切実に響く。そして魂の底から叫ぶようなギターリフが印象的だ。
どうしても眠れないのなら、そのまま起きて音楽聴いて、考え事をしたり、本を読んだりするのもいいだろう。

テーマを決めて書いてみると、楽曲の違った面を改めて知ることができると分かった。眠れない夜のプレイリストを作っておこうと思う。そうすればそんな宵もきっと楽しくなる。

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