雨の日に聴きたいくるり

雨の日に聴きたい曲として、 BUMP編アジカン編フジ編を書いてきた。
今回はくるりだ。

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くるりの歌詞と雨

くるりには「雨」「真夏の雨」「雨上がり」「虹」という、曲名から雨に関係する歌がある。
また、くるり詩集をぱらぱら見ていて驚いた。なぜかといえば、雨が出てくる楽曲たちは、くるりといえばの代名詞のような曲が多かったからだ。「東京」「ワンダーフォーゲル」「ばらの花」「BREMEN」「JUBILEE」、どれも雨という言葉が登場する。
さて、では雨の日に聴きたい曲を書いていこう。

くるりの雨の日に聴きたい曲3選

2003年発売『ジョゼと虎と魚たち』
「飴色の部屋」作詞作曲: 岸田 繁
この曲は、サウンドトラック『ジョゼと虎と魚たち』に収録されている楽曲だ。雨という言葉は、太陽が出ていないため、暗い世界を連想させる部分があると思う。しかし、この楽曲、イントロから気持ちをがらりと変えてくれる。私はくるりを「広い」と思っているのだが、この曲もまた「広い」印象を受ける。
歌詞に“止まない雨は”というくだりが出てくるが、その描写は今の時期にぴったりだ。一方、季節が変わる様子を描くことによって、雨のにおいは消し去られていく。歌詞の情景が脳裏に浮かぶ1曲だ。

2007年発売『ワルツを踊れ Tanz Walzer』
「JUBILEE」
CMソングに起用されていたので、聴いたことがある人も多いのではないだろうか。こういう曲のくるりはずるい。本当に良い曲だなあとしみじみ思う1曲である。聴き入ってしまうメロディ、身を委ねたくなる歌詞、心震える楽曲だ。個人的にはライブ音源が大好きだ。空間が広くなるような気がするからだ。
まさに歓喜を音楽にしたような、聴けば心から感情が溢れてくるような、そんな歌である。雨だけに着眼してしまうと違和感があるほど、この曲は広い。だからこそ、どこか窮屈に感じる雨の日に聴きたいのだ。

2010年発売『僕の住んでいた街 』(シングル『街』カップリング曲)
「台風」
台風を音にしたらこんな感じになりそう、という楽曲だ。音の運びは、色んなものが飛び交って、てんやわんやみたいな一方で、歌詞との対比が面白い。このメロディにこの歌詞? という感じが、なんというかすごい。すごいぞ、くるり。ボウボウ風が吹きさすぶ真っ暗な日に、とてもよく似合う。気持ちが愉快になる、そんな曲だ。ただ、アウトロの不穏さがすごく印象に残る曲でもある。台風一過、晴れてないみたいな。でもちょっと青空見えたみたいな。

くるりにも悪天の描写が頻出する。天気というのは人々に等しく降り注ぐものだからこそ、他人と気持ちをわかりあえる事象のひとつだ。だから「今日は雨降りですね」と、まず人は言うのだろう。一方でその状況の捉え方は様々だ。雨の日に聴きたい曲を集めてみたら、詞を紡ぐ人々が雨をどう捉えているのか、その感覚の一端に触れられたようで楽しかった。雨の日には考え事が捗る。

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