ベストアルバムから聴こう!への反論

あるバンドやアーティストなど、音楽が気になったとき、導入はベストアルバムがいいのではないか、と散々書いてきた。(これだったり、あとはこれとか)
しかし、日々を過ごすなかで、ふと本当にそれでいいんだろうか?という思いが湧いてきた。確かにベストアルバムなら有名な曲、聴いたことのある曲が入っていたり、シングルカットされたような曲が入っているから、とっつきやすい。シングルというのは、そのバンドが今、特に世に提示したい曲ということだと、私は思っている。
しかし、ベストアルバムはそのバンドそのものかと言ったら、違う、のだ。
正しく言葉を書くのなら「本当はオリジナルアルバム全部聴いて、好みかどうかを判断をしてほしいけど、それだと大変だから、とりあえずベストを聴いてください、お願い!」だ。それがベストアルバムの存在意義のひとつだ思う。

ではなぜ、ベストアルバムからの導入に疑問を持ってしまったのか。
その答えは、簡単だ。ベストには入らないような曲を好きになる人だっている、と思ったからだ。
私の経験上、特別に好き、という曲はベストアルバムに入っておらず、オリジナルアルバムのある1曲なことが多かった。それにその曲を聴いて、ああ、これはシングルにはならないだろうなあ、とも思うことがある。個別で先行して発売される楽曲、またはMVが制作される曲というのは、やはりどこか外向きなのだと思う。 オリジナルアルバム曲には 、そういう使命を負ってないからこその軽やかさ、自由さがあると思うのだ。だからこそ、バンドの闇みたいな曲や、遊び心溢れた曲、日常にふらりと訪れる特別な時間みたいな素晴らしい曲に出会うことができる。
それゆえ、B面集はかなりオススメだ。ただ、カップリング集だと、挑戦的だったり、シリアスだったり、遊び心あふれていたりという要素が、むしろ振り切って収録されているイメージもある。ある種偏っているのかもしれない。そういう意味では、ベストアルバムも偏っているのだろう。だからこそ、オリジナルアルバムはシングル曲も入りつつ、そのバンドの自由さも入りつつという、ひと期間で作られる塊という意味でバランスを兼ね備えているわけだ。

「〜っていうアルバム聴いたことあるけど、ピンとこなかったんだよね」と言われると、ファンとしては、そのバンドの魅力、そこだけじゃないから!もっと色んな曲あるんだよ!と伝えたくなる。全部聴いてピンと来なかったら、それは、もうそうなんだろうな、と思う。
いつも、1人でも多くの人へ大好きなバンドの曲が届けば、と願ってやまない。そして必要な人が必要なものを受け取れたら、と思うのだ。

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