バンドをおすすめするとき、私はその人がどんな音楽を好むのか、というところから聞き取りをはじめる。好きな曲があれば万々歳、その曲を元にとりあえず趣味に合いそうな曲を選び「聴いてみてください」とすすめてみる。だが、私はこれを読んでくれているあなたの好みを知ることができない。なので、ざっくりBUMP OF CHICKENの音楽について話をしてみようと思う。
BUMP OF CHICKENはいい意味で金太郎飴
基本的にBUMPはどこから入っても大丈夫だ。金太郎飴みたいに、どこを切ってもBUMP OF CHICKENはBUMP OF CHICKENなのである。ただ、もちろんアルバムごとに雰囲気は違うし、バンド事態の変化、例えばメディアへの露出の仕方とか、本当にいろっっっんな変化はあった。それはまた機会があったら書こうと思う。バンドとメディアみたいな感じで。さて、話を戻す。
以前の記事「音楽との距離を縮める」にも書いたが、初めて聴くというのなら、ベストアルバムからをおすすめしたい。
1枚目『BUMP OF CHICKEN I [1999-2004]』
今を後期とするならば、いわゆる初期～初中期のBUMP、だ。現在もライブでよくやる曲が結構入っている。ボーカル藤くんこと藤原基央の声もどこか若い。当たり前か、最初の曲は20年前なんだから。それでも、今もなお心に響くし胸が熱くなる。名曲に年月はあまり関係ないのだ。このあたりの楽曲は感情が生々しいまま曲にパッケージされている印象がある。
2枚目『BUMP OF CHICKEN II [2005-2010]』
こちらは初中期～中後期のBUMPであろう。サウンドが大人びた気がする。1枚目には「無茶」みたいな要素あるが、こちらは「成熟」を感じる。このアルバムに収録されている「HAPPY」という楽曲は底抜けの大名曲なので、是非聴いて欲しい。歌詞も素晴らしい。
そして最新アルバムへ
もし上記の2枚を聴いたなら、その時点の最新アルバムを聴くのがいいと思う。現時点では『Butterflies』だ。といっても発売されたのは2016年だが(追記：2019年に『aurora arc』がリリースされた)。
それと公式からアップされている最新曲を聴けば、BUMP OF CHICKENの大枠はつかめるだろう。と言いたいところなのだが、もう一歩、是非とも踏み込んで欲しいのだ。
カップリングという真骨頂
バンドの真骨頂はカップリングにこそ宿る。（あとシングル曲ではないオリジナルアルバムの曲にも）
シングルCDの表題曲ではない楽曲をカップリング、B面などと呼ぶ。そのイメージは日差しの強い日に建物の日陰にいる感じだ。気張っていなくて、ほっとする。BUMPのB面集は『present from you』というタイトルだ。名前から泣かせにきている。内容は2000年～2007年のカップリング曲、そして「プレゼント」という曲を加えた構成になっている。「プレゼント」は、2枚目のアルバム『THE LIVING DEAD』に収録されている「Opening」と「Ending」という2曲に未発表部分を加え1曲になったという楽曲だ。
このアルバムの収録曲は、曲調は明るい曲、穏やかな曲、ヒリヒリする曲、自分の人生のテーマソングに選びたい曲、涙が出てくる曲、などなど色んな表情があって大変愛おしい1枚だ。
好きになった曲があったら、近い年代のオリジナルアルバムを聴いていって欲しい。
おすすめの映像作品
映像作品は、『結成20周年記念 Special Live「20」』がおすすめだ。この作品には、まさにBUMPの20年が詰まっている。全年代をセットリストに網羅しつつ、今まで伝説の存在だった「BUMP OF CHICKENのテーマ」という最高最強の曲が初収録されている。シンプルなステージと演出が、あの日のかけがえのなさを際立たせていた。ライブの熱量が全部詰め込まれた珠玉の映像だ。是非観て欲しい。
そしてBUMPといえば隠し･･････の話をするべきだろうか。CDがしばらく無音になって、急に可笑しな曲が始まるのは仕様なので最後まで聴いてほしい。それは壊れているわけでもミスで収録されたわけでもない。映像作品にも隠しは存在するので、彼らのこだわりは最高に愉快で笑える。隠しを作るのに普通の曲作るのと同じくらいの時間がかかっている、と話していたのも笑える。
今回、確認のためにBUMPの公式サイトを眺めた。曲名を見ていると、布団を被ってこの曲を聴いたな、家を出る前に毎日あの曲を聴いたな、この曲にあの瞬間救われたなあ、ということを次々に思い出す。私はBUMPの曲と一緒に歳を重ねてきたのだ。これからもきっとそうだ。
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