ASIAN KUNG-FU GENERATIONのフロントマン、後藤正文。アジカンというバンド自体、書籍が多いが、ゴッチ本人が書いた著書も結構沢山ある。今回はその作品たちを一覧にして、軽く紹介し、初めて手にとるときにオススメの本についても綴る。
ゴッチの著書、一覧と詳細記事リンク
『ゴッチ語録』 (ぴあ、2006年)
『ゴッチ語録 A to Z』(ぴあ、2012年)
『何度でもオールライトと歌え』 (ミシマ社、2016年)
『ゴッチ語録 決定版: GOTCH GO ROCK! 』 (ちくま文庫、2016年)
『YOROZU~妄想の民俗史~』(ロッキング・オン、2017年)
『凍った脳みそ』(ミシマ社、2018年)
『銀河鉄道の星』 (ミシマ社、2018年)
エッセイの簡単な紹介とオススメ
『ゴッチ語録 決定版: GOTCH GO ROCK! 』は、『ゴッチ語録』『ゴッチ語録 A to Z』を1冊にまとめたものである。ゴッチ語録は、音楽に関する話を五十音順、あるいはアルファベット順で、彼が書き綴ったものだ。彼の音楽への愛や歴史、ユーモアがたっぷり詰め込まれた本である。文章も読みやすく、軽い気持ちで読みはじめることのできる1冊だ。様々な人との対談も読み応えがある。初めに手に取るとしたら、個人的にこの本が一番おすすめだ。
『何度でもオールライトと歌え』、『凍った脳みそ』もまたエッセイの趣がある本だ。ゴッチ語録は、五十音順、ワンワード見開きを使い綴る、という縛りがある形だが、こちらの2冊はある意味でもっと奔放だ。
『何度でもオールライトと歌え』は2011年以降の“ゴッチの日記”(アジカン公式サイトで読むことが出来る)を書籍化したものである。面白おかしさのあるものから、真剣に社会を見つめた文章まで色んな日記が載っている。どちらかというと真面目寄りだと思う。道端や電車で変な出来事に遭遇した話も健在だが。
『凍った脳みそ』は、ゴッチの音楽スタジオ「コールド・ブレイン・スタジオ」にまつわる日々が綴られている。あとがきに、この本を端的に表わす一文があった。
この本はれっきとした音楽書であり、スタジオ作りにまつわる冒険譚でもある。
『凍った脳みそ』 後藤正文、ミシマ社、2018年、p.191
ゴッチに興味のある人だけでなく、音楽を作ることに興味のある人にも刺激になる1冊だと思う。プロのミュージシャンがどんな日々を送っているかも伝わってきて面白い。そして色んな出来事に右往左往する様は、まさに冒険だなとも感じたのだ。
ちょっと異色な書籍
上記の、いわばエッセイたちと毛色が違うのが、『YOROZU~妄想の民俗史~』、『銀河鉄道の星』である。『YOROZU~妄想の民俗史~』は、音楽雑誌を読むのも趣味な人間は、一度は手に取ったことがあるであろう『ROCK’IN ON JAPAN』で連載していたものをまとめた本だ。内容は短編歴史小説、読書用のCDが付いている。謎な本である。買ったんだけど、積読している。いつか読んだら追記する。
『銀河鉄道の星』は、宮沢賢治の作品をゴッチが新訳したものである。表紙の色味が素敵だ。こちらは詳細記事へのリンクが一番上の項にある。
そういえば、ホームタウンツアーで『銀河鉄道の星』を購入したのだが、その本にはゴッチのサインが入っていた。ライブ会場やフェス会場でゴッチの本を購入すると、サインを入れてくれていることがあるのだ。嬉しい。
あと、ひとつ書いておきたいことがある。金澤ダイスケが『週刊金澤』という本で、ゴッチと対談しているのだが、そのときにゴッチが似たようなもの出すときは対談よろしく的なことを言っていて、それをぜひ実現してほしい。
一通りこの記事を書いていて思ったのは、彼から言葉が溢れているなあ、ということだった。でなければこんなに沢山作品を出すことは出来ないんじゃなかろうか。
サイトにある“ゴッチの日記”やツイッターを見ていても分かるが、彼の文章は面白く、ときに真摯で、ときに人の心を動かす。根っからの表現者だよなあ、と思う。
【今日の曲】
Gotch「無謬 Infalliblity」(2017年)
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