前回はBUMPについて書いた。今回はフジファブリックだ。
正直、フジのアルバム『CHRONICLE』(2009年)自体が冬のイメージを持っている。それはきっと、レコーディングを行ったのがストックホルムで、雪の印象がついてまわるからだろう。白銀のなかを歩くフジ、降雪のなか暖かい室内で音楽する彼ら、という絵が色濃い。室内が禁煙のため、外に通ずる扉を開けて寒い寒い言いながらタバコを吸っている姿も微笑ましかった。
四季盤でいうなら「銀河」の季節だ。「黒服の人」「Stockholm」もこの季節にぴったりである。だからこそ、あえてな曲を書いてみようと思う。
「ペダル」2008年発売『TEENAGER』
「一緒に散歩したいフジファブリック〜日中編〜」でも紹介したので、今回は簡単に綴ろうと思う。歌詞的にはきっと冬ではないのだろうけど、私にとってはこの季節に密接に結びついてしまっている曲だ。本当に散歩するときによく似合う曲なのだが、空気の澄んだ冬の朝にぴったりなのだ。イントロの凜とした様子が寒さによく合う。
「BABY」2015年発売『GIRLS』
ふわふわの布に包み込まれるみたいな気持ちになる曲だ。イントロから不思議な響きを持っていて、寒くて暖かい、という気持ちになる。冬の夜の街とかも似合う。
収録ミニアルバムのリリースがちょうど肌寒くなる頃だった。今の時期にぴったりな楽曲である。もう一方の「BOYS」が夏の初めころのリリースだったこととの対比が綺麗だなあと思う。
『GIRLS』の特典がブランケットだったことや、そのときニコ生配信があったことをふと思い出した。ダイちゃんの女装が異様に似合っているヤバい回だった。
「ポラリス」2016年発売『STAND!!』
発売は5月だし、ライブで聴いたとしたら三日月ツアーのときで、あれは梅雨のころだったのに、冬のイメージを持っているのは何でだろう、と不思議に思った。
答えとしては、まずひとつに、曲のイメージが寒色なこと。そして最後に聴いたときが冬にやったSTAND!!ツアーだから、その空気感が自分のなかに残っているという点が思いつく。
“全身全霊”というフレーズが強くて、この単語を聞くだけで「ポラリス」が脳内再生される、実はかなりのパワーソングだ。ダイちゃん作詞作曲だが、彼は光とか星の歌を書くのが上手いなあと感じる。ロマンチストな一方でどこか冷静さがあるので、曲の質感も面白い。
フジの楽曲は、真冬とかより、秋から冬にかけて、とか夏の終わりから秋にかけて、のような季節の間を歌う曲も結構あることに気づいた。また、ライブで聴いた時期に季節のイメージが引っ張られているのも面白い。
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