ライブでのデンジャラスゾーン

天国と地獄を同時に味わったことがあるだろうか。
ライブは、私にとっての天国だ。しかし一方で、位置取りを間違えると地獄みたいな目に遭うこともある。
今回は、ライブやフェスでうっかりデンジャラスゾーンに足を踏み入れてしまった話をしよう。

私史上もっとも凶悪な記憶は、レディクレだ。一番大きな会場の半分より前にいたときのことだった。あるバンドが登場したとき、まるで殴り合いのようなモッシュが起こり、這々の体で逃げ出したのだった。脇にはけるコツは、逃げる人の後ろについて行くことだ。誰もいなければ君がモーセになろう。ちなみにこの技は人混みのスクランブル交差点などでも使える。非力なので、人にかき分けてもらう。
さて、このレディクレのモッシュでは靴がボロボロの見るも無惨な姿になり、次の日に即靴を買い換えたことを鮮明に覚えている。またそのバンド後に救急車の音がした。あれは、まあ、ほんと地獄だった。

2番目はBUMPのライブハウスだ。最前ブロックの最後方、スピーカーとステージの間よりはスピーカー寄りの場所を陣取っていた。この位置なら、まあ、大丈夫だろう、と高を括っていた。お前は何回ライブ行っているんだ。
はじまる前に二度、三度、スタッフから人が入れないので一歩前に詰めてください、というようなアナウンスがあった。そのたび、ドドドと人波に流され、最終的に藤くんとチャマの間(チャマ寄り)にまで流されてしまった。私の中では警報音が鳴り響き、地獄を覚悟した。そもそも開演30分前くらいからスマホを取り出していじれないほどの圧縮になっていた。そしてはじまるライブ。
まさに天国と地獄だった。ライブは楽しい、音楽が近い、でもいた場所は人権が0.5しかなかった、みたいな感じであった。最前ブロックの最後方というのは、実は微妙っちゃ微妙な場所である。例えば圧縮が起こる、反動で前の人が後ろに下がる、でも最後方は柵があるので下がれない、ジ・エンドみたいな感じだ。それに加え、両脇からの圧、というのもある。隣同士、0.8くらいのスペースを取っているイメージなので、空間が足りてないのである。そして最前ブロック最後方にいる人々はけっこうライブ慣れしている人が多い気がする。だから頑としてそこを動こうとはしないわけだ。そのために最後方は許容を超える。結果両腕に高負荷がかかり、ライブ直後から腕が上がらなくなるのだ。大体一日遅れてくる疲れはライブ直後アドレナリンが切れた瞬間から襲いかかり、丸2日間は使い物にならなかった。
また最悪なことに最後方の柵の隙間がちょうど背中に来てしまったのである。数センチのその隙間は、凶器だ。横揺れの曲なんかガッツガッツ角にあたり、その後椅子などの背もたれにもたれないこと2、3日という後遺症を負った。治って良かった。ちなみにZeppにあるこの柵の隙間、柵が前にある場合は肉が食い込んで超痛い。

注意が必要なのはBUMP、スピッツ、東京でのフジ、激しいときのアジカンだろうか。全く押しのない自分のスペースを確保出来る回も全然あるので、本当に何とも言えない。「ライブハウスのどこで聴くか、位置の話」で書いたように、スタンディングでの位置取りは結構大きい要素だ。まあ上記の例は、自らの失敗だと言えばそうなのである。考えが甘かった。
今までの体験をまとめると、バンドにもよるが、基本的にメンバーが立っている位置より内側に入るとデンジャラスゾーンだ。そして地域にもよるのだが、個人的に東名阪は押し合いへし合いが起こる印象が強い。
ただ近いわ演奏している姿が良く見えるわ、ある種の天国でもあることは間違いない。
その一方で激しいモッシュは服が毛玉だらけになる。また、経験上、大抵の痛みは3日もあれば、消える。それでも、あそこは私のいる場所ではなかったなあと思う。今では鉄板ネタだ。

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