フジファブリック (以下フジ) が気になった場合の話を書いていく。
フジは、現体制以前を総括するベストアルバムが出ている。なので、3人体制前に関しては、以前の記事「音楽との距離を縮める」に書いたように音源探索をしていくと導入がしやすいのではないかと思う。
さて、現在彼らは、ボーカル&ギター山内総一郎、キーボード金澤ダイスケ、ベース加藤慎一の3人組で活動している。
フジファブリックの良さとは
フジの良さとは一体何だろう。
透きとおり心に染み渡る曲、ヘンテコなサウンド、可愛らしく愛おしい音楽、フジもまた、楽曲ごとに色んな表情のあるバンドだ。
演奏面で言えば、そもそもそれぞれの技術力が高い。フジは「音楽」で集った人たちだからだ。そのためか、メンバー全員が作詞作曲したり、別のバンドのサポートに入ったりと個々の音楽的素養が際立っているように見える。実際ライブを観ていると、演奏のテクニックが凄くて見惚れてしまう。
メンバーのバランスも面白い。やはり、みんな仲良さそうにしているのは、見ていて心地よいものだと思う。
また、フジのチームは、ファンに対するホスピタリティが異常に高いのも、好きでいるのが楽しい要因のひとつであろう。確かに「音楽」が一番好きだ、でも、それを作った人々を敬愛し、親しみを持つのは自然な感情だと思う。そういう好きでいる人々の要望をすうっと吸収してくれるフットワークの軽さがフジファブリックにはある。リスナーとバンドの関係性が一番心地よく感じるのはフジだ。距離感がほどよく、そして応援したいという気持ちを一番強く感じるのだ。
唯一無二のロックバンド
フジファブリックは稀有なバンドだ。
かつてほとんどの曲を作詞作曲し、ボーカル&ギターを務めていた中心人物、志村正彦はこの世界からいなくなってしまった。その事実は今でもなんだかよく分からなくて、ずっと私は気持ちを宙ぶらりんにしたままだ。
そんな大きな出来事があった彼らは、決断の末、バンドを存続させることを選んだ。総くんは「なんでフジファブリックを続けてるかって、僕らがフジファブリックを好きなんです。志村くんのことも大好きで、それしかねえよ~って思うんだな。そのバンドをなくしたくなかったんだよ」というようなことを10周年武道館で言っていた。そうやって続けてくれたことに、本当にとても感謝している。そのおかげで、どれだけの人がフジファブリックに出会えたのだろう。こんな素敵な音楽を知ることが出来たのだろう。
明日が最新作のアルバム『F』の店着日だ。フジファブリックの冠がつけられたアルバム。すでにライブで聴いた曲がいくつかあるが、格好良く愉快で美しくヘンテコで感動的で泣けるフジファブリックだった。ひとまず、これを聴いておけば間違いない。
そしてツアーへ、大阪城へ、これからフジファブリックが歩む道のりを心の底から楽しみに見守ってゆくのだ。
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