『F』によせて。フジファブリックへの手紙

このタイトルをどれだけの人がつけただろう、と思いながら記事を書いている。これは私からフジファブリックへの手紙だ。(フジについては以前、「フジファブリックを好きになると楽しいという話」を書いたので、もしよかったらそちらも読んでもらえたら嬉しい)

私は音楽的なことが全くわからない。コード進行が、とか、これはEDMだね、とか全然分からない。キノボリには音楽理論がわからぬ。けれどもこの曲が好き、あの曲最高だな、という感情には人一倍に敏感であった、ということだ。
だから、この耳で聴いて、この目で観て、そしてこの心に感じたままに書いていく。

1曲目「Walk On The Way」作詞作曲:山内総一郎
ギターの音がとても心地よくて好きだ。目の端に景色が流れていくような印象が浮かぶ。旅をしているような曲だなあ、と思った。流れる雲や青い空、平原を突き抜ける黄色の道。両脇には風に揺れる草木。そんな光景を心に抱く。

2曲目「破顔」作詞作曲:山内総一郎
日差しに満たされていくような曲だと思った。乳白色の柔らかい光に包まれている気持ちになる。でもなんか、やっぱ切ないんだよなあ。私は、柔らかく穏やかなものこそ、しなやかな強さを持っていると思っている。この曲もそうなんじゃないか、と感じた。

3曲目「手紙 」作詞作曲:山内総一郎
イントロ、すごい泣ける。聴いた瞬間、泣ける。なんでかわからんけど。胸がぎゅっとなる。付属のDVDに生まれたてのこの曲の姿があったが、なんか、それもすごく心に残った。「旅路」とか「夕暮れ」とか個人的に音の響きが好きな言葉がちりばめられていて、総じて好き。

4曲目「LET’S GET IT ON」作詞作曲:山内総一郎
えー!うはは、と思った。ゲーム音楽みたいな手触りだったり、可笑しな感じになったり、ウッハッウッハッがログインしたり、ヘンテコでダンサブル、途中で真っ赤な夕日が似合いそうなサウンドになって、と展開が多彩で面白い。「Strawberry Shortcakes」とか「午前3時」が好きな人、好きそうと思った。あとは「唇のソレ」とか。ライブ版を思い出す展開だ。

5曲目「恋するパスタ」作詞作曲:金澤ダイスケ
胸焼け~~~~~!ってなった。幸せ溢れすぎてて笑った。実は、歌詞はそんなでもないけど。元気で明るい曲が好きな人はサクッと心に刺さると思う。「Girl! Girl! Girl!」好きな人はグッとくるんじゃないかな。サビ入る前のとこが特に好き。現体制フジファブリックの魅力がはち切れんばかりに詰まった曲だと思う。

6曲目「Feverman」作詞:加藤慎一 作曲:山内総一郎
いやあー、好き、大好き。この曲はFABch会員限定プレミアムライブのときに初めて聴いたのだが、そのときに一目惚れした。「両手~」から「空を扇いでいるのさ」の部分がもう好きで好きでしょうがない。この曲はすごく「広い」感じがする。踊り出したくなる。あと「明日の予定なんて関係ないし 今日は今日しかないもんね」という歌詞が好き。そうなんだよ、私たちには今日しかないんだ、と思う。毎日毎日そうだ。この曲を聴くたびにその事実を思い出す。この軽やかさが心地よい。

7曲目「High & High」作詞作曲:金澤ダイスケ
疾走感のある曲だなと思った。カーレースしているような。サビで「ハイハ~イ」って歌うのが好き。ああそういえば、ダイちゃんF1レーサーになりたかった時期があったんだっけ?作詞作曲者の色が出るのが面白いなあと思った。それでもやっぱり『F』のおさまりが良いのが、バンドだな、と。

8曲目「前進リバティ」作詞作曲:加藤慎一
イントロから変な曲で良い。歌の音程も独特で不思議で変!って感じがすごく加藤さんだな、と思った。それなのにサビは正道な感じとか、曲がガラリと変わるとこがもうすっごく加藤さん。「JOY」とかもそうだな。好きだな。

9曲目「東京」作詞作曲:山内総一郎
最高よりも賞賛の表現ってなんて言えばいいの?好きすぎて好きすぎてしょうがない曲。サビが最強だと思う。なんて言えば良いんだろう、この曲に自分の人生を動かされたような感覚すらある。「フラッシュダンス」が好きだと心臓掴まれると思う。「手紙」の対になる曲と言ってたけど、私は「手紙」サビ前までと「東京」のサビに特に心のツボをグッと押されたので、本能で頷いた。この曲を聴き終えて、フジファブリックを好きで良かったなあ、と心の底から思った。

さて、フジファブリックへの手紙とか言ってたけど、結局フジファブリックへむけた言葉じゃなくなっている。ただの『F』聴いた感想になっている。
彼らに伝えたい言葉なんて、アルバム最高です!ツアーも大阪城も超楽しみにしています!体には気をつけて素晴らしい日々を過ごしてください!応援してます!くらいしか思いつかない。言葉にできないものが大きすぎる。

私は、『F』と出会って、フジファブリックの皆へ大阪城ホールが満員御礼になる景色を見せたい、と思った。何目線だよ、という感じだが、純粋に思ってしまったのだ。彼らはそれに足るバンドだ。それ以上のバンドだ。もっともっと色んな人に届くはずだ、と私はずっと思っている。
そして、本当に本当にこれからのツアーが楽しみでしょうがない。あの、何ものにもかえがたい時間を心待ちにして、明日も『F』を聴く。

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