夏に聴きたいフジファブリック

なぜ今、夏に聴きたい曲なのかといえば、最近ちょっと秋めいてきているからだ。涼しくて過ごしやすく嬉しいが、を書いたのに、夏を飛び越しそうだったので慌てて書いている次第である。前回は「夏に聴きたいアジカン」を書いた。今回はフジファブリック編だ。
フジの場合、初期に四季盤という形でリリースが行われていたので、春夏秋冬で書きやすい。しかしそれではあまりにストレートすぎるので、別の曲を選んでみようと思う。

2011年発売『STAR』
「君は炎天下」
アイリッシュ感のある、弾みたくなるような1曲だ。賑やかで愉快な様子に頬が緩む。作詞が3人というのも良い。それぞれの要素が巧みに混ぜられている。
アルバム『STAR』は全体的に爽やかな印象のあるアルバムだが、この曲はその筆頭だと思う。うだる暑さも吹き飛ばす、踊り出したくなる楽曲である。

2015年発売『BOYS』
「夏の大三角関係」
おそらくフジフレ2017(Perfume)でしか演奏されていないと思われるレア曲。
フジファブリックファンでもあり、BUMPファンでもあるので「ラブ・トライアングル 君と僕と委員長ver.」が浮かんできてしまうのは許して欲しい。しかし不遇な主人公たちである。でもなんとなくどちらかと言えばフジのほうがイケイケな感じなのが笑える。曲調もキャッチーで何度も聴きたくなる中毒性をもつ1曲だ。お祭りの情景がありありと浮かんでくる。

2008年発売『TEENAGER』
「若者のすべて」(総くんボーカルは2015年「Live at 日本武道館」、「Hello!! BOYS & GIRLS HALL TOUR 2015 at 日比谷野音」の音源で聴くことが出来る。)
この話題でこの曲はやっぱりはずせなかった。「耳が肥えること〜レベルアップ音楽耳〜」で書いたような、そこはかとない因縁のある同曲。『TEENAGER』というアルバム自体、「Surfer King」や「星降る夜になったら」(「星降る夜に聴きたい曲たち~BUMP、スピッツ、フジファブリック~」)からの印象もあってか、夏っぽい1枚だ。
「若者のすべて」はフジがテレビ出演する場合かなりの確率で歌われるフジファブリックの代表曲でもある。夏に花火を見るたびにこの曲が脳裏に浮かぶ。また、歌詞について関ジャムで取り上げられていたのも嬉しかった。
この曲が出来たとき志村くんが興奮している様子は、彼の日記である『東京、音楽、ロックンロール 完全版』でも窺える。(この書籍について書いた記事はこちら。)
そもそも志村くんの曲は志村音階とでも言いたくなる独特の音程なので歌いづらいと思う。この曲を歌い始めた初期のライブでの彼の様子を観ても難しそうなのである。色んな人にもカバーされている曲で、音源としてはミスチルの桜井さんが歌うBank Bandの2010年発売『沿志奏逢 3』がある。ちなみにこのアルバムにはRADの「有心論」も収録されている。

直球を避けると書いたのに、フジファブリックのなかでは直球な夏についての曲ばかりになってしまった。「会いに」なんかも夏によく似合う。それは歌詞ももちろんあるが、富士Qを彷彿とさせるからだろうか。それとも三日月ツアーの窓枠で聴いた夏の日を思い出すからだろうか。
フジも結構季節に寄り添ってくれるバンドだなと思う。

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