今回は、ボーカル喜多建介について綴ろうと思う。さわりの情報、ボーカル楽曲、そしておまけで、おすすめの映像作品集という順番で書いていく。
ただアジカン自体のおすすめ楽曲について知りたい場合はこの記事がオススメだ。
アジカンのギタリスト喜多建介が歌うって
ASIAN KUNG-FU GENERATION、喜多建介は様々な伝説を持つロックスターだ。酔っ払って残した逸話は数知れず、皆に愛されるギタリストである。ただ、 喜多・山田活動日誌(公式会員システムの話)で分かるように、最近は禁酒しているらしい。
アジカンのフロントマンは、ゴッチこと後藤正文だ。基本的に作詞作曲、ボーカルを担っているのはゴッチである。だが、たまに違う声が歌っていることがある。
それが建ちゃんボーカル曲なのだ。だいたい、作曲者に喜多建介の名前がある楽曲を歌っていることが多い。建ちゃんが持ってきた曲を、ゴッチが「建さん歌いなよ」とかなんとか、みたいな経緯だったと思う。そうやって爆誕したのが、大人気曲「嘘とワンダーランド」(以下嘘ワン)なのである。
嘘ワンは、ライブでやると、超盛り上がる。
ライブやコンサートの定番に、公演会場名や地名を叫ぶ、というのがあると思う。武道館公演だと「武道館ー!」や埼玉公演だと「歌え埼玉!」というように。
でもゴッチの場合、そういう煽りをしているイメージが全くない。多分してない。今度またツアーに行くので確認してみるけど、しないと思う。そんなアジカンの公演でザ・ライブっぽさを体感できるのが建さんコーナーなのである。これも時と場合によるのだが、建ちゃんは嘘ワンを歌うときに「横浜ー!!!」と叫んだり、「お前ら歌えるかー!」みたいなことを叫んでくれるのだ。場はドッカンドッカン超盛り上がり、最高に楽しいロックの時間なのである。
そんな様子が観られるのが、以下の映像作品集10巻だ。ゴッチを除くアジカンメンバーとフジファブリックのダイちゃんによって演奏された 「嘘とワンダーランド」 は必見である。
喜多建介ボーカル曲リスト
そんな建ちゃん、メインボーカル曲は嘘ワンだけではないのである。楽曲は以下の通りだ。
・2006年発売シングル『ワールドアパート』「嘘とワンダーランド」(『フィードバックファイル』にも収録)
・2015年発売シングル『Easter』「シーサイドスリーピング」(以下シースリ)
・2016年発売シングル『Re:Re:』「タイムトラベラー」
・2016年発売シングル『ブラッドサーキュレーター』「八景」
・2017年発売シングル『荒野を歩け』「お祭りのあと」
・2023年発売シングル『宿縁』「ウェザーリポート」
一部建ちゃんボーカルの曲
・2008年発売アルバム『ワールドワールドワールド』「ナイトダイビング」
ゴッチとダブルボーカル
・2015年発売スピッツトリビュートアルバム『JUST LIKE HONEY -ハチミツ 20th Anniversary Tribute-』「グラスホッパー」
ゴッチとダブルボーカル
・2019年発売『ホームタウン』初回生産限定盤に付属『Can't Sleep EP』「イエロー」
山田ロイド、建ちゃん、ゴッチという面白構成になっている。
・2022年発売アルバム『プラネットフォークス』「You To You (feat. ROTH BART BARON)」
一部分
・2022年発売シングル『出町柳パラレルユニバース』「追浜フィーリンダウン」
ゴッチとツインボーカル
声の評やライブの話
建ちゃんメインボーカル曲でも、歌詞はゴッチが書いている。雑誌のインタビューで
―これはもう、金沢百景の「八景」だよね?
『Talking Rock! 2016年8月号』トーキングロック、2016年、p70
後藤 そう。もう建ちゃんのことを考えると、あのへんの景色しか出てこなくて(笑)。
喜多 ハハハ(笑)。
―前の「シーサイドスリーピング」も、学生時代の金沢百景あたりのノスタルジックな風景をイメージしつつ書いたと言ってたもんね(笑)。
後藤 そうそう。建ちゃんの高い声を聴くと、あのエリアから一歩も出られないですね。
と語られたのが、非常に面白かった。ちなみに、この号では、おもしろ缶コーヒーエピソードもあって、読み応えのある1冊となっている。雑誌については下記の記事で書いたとおり、『Talking Rock! 』は読みやすくて笑いもある本だ。
昔は「天使の歌声」今は「ドブ声ファルセット」などと評される建ちゃんの歌声だが、系統はスピッツの草野さんを彷彿とさせる。それゆえ 「グラスホッパー」はぴったりだったと思う。「八景」なんかド直球だが、ライブで聴けて本当によかった。
ちなみに「ドブ声ファルセット」についてはゴッチの日記『ランドマーク』全曲解説 「All right part2」の回を見ると良い。
そういえば「Wonder Future」ツアーでは嘘ワンからのシースリという贅沢なセットリストだったのだ。そしてこの建ちゃんコーナーの見所は、ゴッチでもあるのだ。建コーナーはゴッチの休憩タイムなのか、真ん中の彼はふらふら力の抜けたダンスをしていて最高だった。それに同調するシモリョーも面白かった。
上記でも触れたが、10周年の嘘ワンでは、あまりの盛り上がりに「ジェラシー」と言いながらゴッチが割って入ったのが面白かった。建ちゃんをニヤニヤ見守る潔も、生暖かい目で見守る山ちゃんも見物なのである。
また、ライブでは、『サーフブンガクカマクラ』の曲のひとふしを建ちゃんが歌うことがあるのも、エキサイトする場面だ。
かつて、建ちゃんは、もっと力を存分に発揮して欲しい、あとは建ちゃん次第だ、みたいなことを言われ続けてきたイメージがあった。しかし、今の彼は非常にパワフルで、観ているこっちがめちゃめちゃ元気になるようなエネルギーを放つようになったと思う。ライブでも、ついつい目を惹きつけさせられる煌めきがある。
上記の曲を書いてて思ったが、『フィードバックファイル3(仮)』が喜多建介祭りになったら愉快だな、とちょっと思っている。
奇しくも今日は4月1日で、なんだか嘘とワンダーランドみたいな内容になってしまった。でもここに書いた気持ちに嘘偽りはひとつもない。彼はロックスターだ。
おすすめの円盤話
おすすめ映像作品集
6巻は建ちゃんの歌名場面が出始めた頃だ。特に「ナイトダイビング」「稲村ヶ崎ジェーン」は必見である。
15巻は現時点(2020年2月)での最新映像作品集だ。「八景」ではメインボーカルを務めるなど大活躍の1枚である。
もっとライブ円盤の話を知りたい人は、以下の記事がオススメだ。
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