アジカンの概要やオススメ曲、アルバムの話~前編(2002~2008)~

基本的に「音楽との距離を縮める」に書いたとおり、入門はベストアルバムから聴くと、導入がしやすい。しかし、アジカンはオリジナルアルバムごとの個性が際立っているので、その辺の話を今回はしようと思う。
手っ取り早くおすすめの曲を知りたい場合は、以下の記事がおすすめだ。

【軽量版】アジカンが気になった君へ捧ぐ~おすすめ曲とアルバム~
ASIAN KUNG-FU GENERATIONが気になった人向けに書いたおすすめ楽曲の記事です。曲リストの部分だけは簡素に書いたので軽量版です。
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アジカンというバンドについて

アジカンは、「リスナー」に対して非常に手厚い。良い具合にベストアルバムとカップリングなどの曲を集めた編集盤がリリースされているのだ。また、公式で動画サイトにMVがアップされていたり、Sony Music Shopで試し聴きできたり、音楽アプリの楽曲登録もとても早いイメージがあるので、聴きたい、と思ったときの接続がスムーズだ。
アルバムは周期的に作られており、色んな予測が立てやすい(きっとこのくらいにツアーがあるだろうとか)のもありがたい。ボーカルのゴッチが公式アナウンスの前に情報をほのめかすことが結構あるので、心構えもしやすいし、楽しみが膨らんだりもする。

アジカンの音源

次に、アジカンの音源について書いていく。
このバンドの制作するアルバムは、コンセプトが非常にしっかりしている。前回記事を書いたBUMPのオリジナルアルバムが「アルバムを作ろうと思ってアルバムを作ったのではなく、曲がたくさん出来たので、アルバムが出来ました」ならば、アジカンは「こういうコンセプトのアルバムが作りたいので、アルバム制作のタームに入った」という印象がある。だからBUMPのアルバムのまとまりがわるいか、といえばそんなわけはなく、必然的に素晴らしい1枚になっているのがBUMPのBUMPたる所以であろう。
アジカンの音源に話を戻す。それゆえ、アルバムごとの色の違いや雰囲気が明確に違う点が、アジカンの面白いところなのだ。聴くごとに曲の色んな表情が見える、聴くごとにその時代の彼らの空気をふっと感じる。
だからこそ、1枚1枚、オリジナルアルバムの紹介を軽く書いていこうと思う。(そのうち1枚のアルバムで1つの記事を書くかもしれないが)

1枚目ミニアルバム『崩壊アンプリファー』(2002年)

アジカンの代表曲のひとつ「遥か彼方」が入っている。このアルバムの曲をライブで聴くと心が青く若返る気がする。意外とセットリストに入ってこないアルバムなので、聴けたらレアだ。

2枚目『君繋ファイブエム』(2003年)

ライブ定番曲やドワっと歓声の上がる曲が多く収録されている。「君という花」はこのアルバム。みんなの持つ2000年代のアジカンのイメージってこれなんじゃないかな、と思う。「電波塔」という曲が本当に良いので、是非聴いてみて欲しい。

3枚目『ソルファ 』(2004年)

アジカンで一番売れたアルバム、とはメンバー談。作品自体は2004年に発売されたが、2016年に再録という試みが行われた。聴き比べると面白い。表現方法の選択が豊かになるってこういうことなんだなって思った。曲順が変わっているのもまた印象的で、ああ、今のアジカンならこうするわな、と思った。「リライト」などフェスでめちゃめちゃ盛り上がる曲が多いイメージ。

4枚目『ファンクラブ』(2006年)

このアルバムの性質について、ジャケットが白黒というところによく表れている。ソルファで売れまくって露出が激しくなった反動があり、長いスパンで良いといわれる作品を、といった思いが込められている。まさに聴けば聴くほど好きになるアルバム。ギャンギャンしたロックというよりは、蕩々と語りかけてくるような味わい深いアルバムだ。ライブで聴くとじんわり心に広がり、泣きそうになる。

5枚目『ワールドワールワールド』(2008年)

白黒から一転、色鮮やかなジャケットが印象的な1枚。アジカンが内側の世界から外側へ向きだした1枚でもある。『ソルファ』が売れて、それならこの良さもみんな分かってくれるだろうと思った『ファンクラブ』が売れなかった。そんな暗闇の出口が見えた時期でもある。セッションで作られていったこともあってか、多彩な表情のあるアルバムだ。個人的に「ナイトダイビング」は是非聴いて欲しい。最後の「新しい世界」という曲は、今でもセットリストに入ると重点に置かれることが多い名曲だ。

6枚目ミニアルバム『未だ見ぬ明日に』(2008年)

『ワールドワールワールド』(以下、ワワワ)とほぼ同時期の作品、いわばワワワのアウトトラック集。根強い人気を誇っており、ライブで演奏されると客が喜びにどよめく。個人的に、表題曲「未だ見ぬ明日に」の歌詞は、アジカンのなかで最も好きなのだ。「深呼吸」はライブでのアレンジに惚れ込んだ1曲だ。シングル『Right Now』に収録されている。

7枚目『サーフブンガクカマクラ』(2008年)

江ノ電の駅名を冠した楽曲が並ぶ、ご褒美のような最高の1枚。涼やかな日陰からきらきら光る穏やかな海を眺めているようなイメージのあるアルバムだ。江ノ電に乗りながらこのアルバムを聴くのを想像するだけで、ワクワクする。ロックでポップで明るくて穏やかで切ない。物語をひとふしひとふし読んでいるような、そんな楽曲たちが収録されている。
私はアジカンで1枚選べ、といわれたら迷いなくこのアルバムを選ぶ。サフブン完全盤をいつか作りたい、というようなことをゴッチが言っていたので、私は未来が楽しみでしょうがない。

軽くさらっと書くつもりが、文章量が膨張していったので、前編、後編と分けることにする。
次回

アジカンのアルバム話、オススメ曲や前編のまとめ~後編(2010~2018)~
アジカンのアルバム紹介、後編は『マジックディスク』から現時点での最新作『ホームタウン』までです。前編のアジカンヒストリーまとめから、それぞれのアルバムの雰囲気、おすすめ曲について書いています。

は、8枚目『マジックディスク』からだ。このアルバム以降、「今のアジカン」のイメージと合致していく気がする。

参考文献
『ASIAN KUNG-FU GENERATION THE MEMORIES 2003-2013 (ぴあMOOK) 』
『ROCKIN'ON JAPAN 2012年2月号』

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