かつてこんな記事を書いたが、そもそもフジファブリックが気になりだした人への初手おすすめを書いてなかった。どの音源から聴けばいいのだろう、と思っている人へぴったりな物がある。今回はその話をする。まずはもっとさわりの部分から書いてみよう。
フジファブリックは、ファンから「フジ」と呼ばれることが多い。
これはかなり個人的な印象だが、フジファブリックまるごと全体的に好きなファンは「フジ」、フジの音楽が好きなリスナーからは「フジファ」「フジファブ」などとも呼ばれている印象がある。「フジ」だとフジテレビやフジロックがサジェストされるのはご愛嬌だ。
そんなフジファブリック、2019年8月28日に『FAB LIST 1』(発売EMI Records /UNIVERSAL MUSIC)、『FAB LIST 2』(発売ソニー・ミュージックレーベルズ)という2枚のプレイリストアルバムを発売した。これが本当に、フジファブリックを聴いてみたいなと思った人へぴったりの内容となっている。
内容は公式の特設サイトに詳しいので、気になった人は是非見てみてほしい。簡単に説明すると『FAB LIST 1』は現体制前、『FAB LIST 2』は現体制以降の曲で構成されている。もっとわかりやすく書くと1は志村ボーカル曲、2は山内ボーカル曲(ほぼ)である。選曲はファン投票(全体から3曲選べる)によって行われた。
アジカンも10周年の横浜スタジアム公演のとき、ファン投票でライブのセットリストを構成していたが、あれのCDアルバム盤みたいなイメージだ。
このプレイリストアルバム、率直に言って選曲が素晴らしい。メンバーも喜んでくれてファンも深く頷く様子からも見て分かる充実っぷりだ。ライブでの重心みたいな曲から、バンドにとって重要な曲、シングルカットされていないがパッと聴いて心を打ち抜くような曲など、これぞという楽曲が並んでいる。フジの格好良さ、可愛さ、ヘンテコさ、爽やかさ、そして心揺さぶる曲が並んでいる。
投票に関して、ファンは色んな思いを抱えて3曲を選び抜いた。もちろんどの曲もそれぞれに思い入れがあるし好きだ、そんな思いを集約させて、3曲を選んだのである。そのためいわゆるベストアルバムとはまた違った趣になっているのだ。ある意味でバランスがめちゃめちゃ良い、ベストだけじゃ伝わりきらない魅力が詰まっている、そんなアルバムになっていると思う。
個人的にすごいなと嬉しくなったのは『FAB LIST 2』の15曲のなかに2019年発売最新アルバム『F』の曲が3曲も入っていることである。それは10月にあるデビュー15周年記念公演をみんなが意識した部分もあると思うのだが、フジの歩んでいる道へのファンからの肯定でもある気がして勝手に泣けてくる。
そして初回盤にはライブ音源もつく。これがまた素晴らしい内容になっているので、ぜひとも初回を手に入れて欲しい。このアルバムたちを聴いていけば準便万端だ。というかもうあなたはきっと、フジファブリックと一緒に道を歩みはじめていることだろう。それはきっと、とても楽しく素敵で心揺さぶられる世界なのだ。
ちなみに『FAB LIST 1』の初回盤は売り切れてしまったようだが、『FAB LIST 2』は現在(2020年4月時点)でまだあるようなので、欲しい人はお早めにチェックすることをおすすめする。
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