想像と散歩のお供 SPECIAL OTHERS ACOUSTIC

SPECIAL OTHERS ACOUSTICというバンドをご存じだろうか?略してS.O.A、今日はこの素敵なバンドの話をする。
SPECIAL OTHERS ACOUSTICとは、インストゥメンタル(インスト)を主に演奏するバンドである。インストについての詳しい話は、前回の「思考と行動のお供 SPECIAL OTHERS」に書いた通りだ。S.O.Aの彼らもまた、横浜出身の4人組だ。

そろそろお気づきだろうが、そう、S.O.Aとはスペアザメンバーによるアコースティック編成なのだ。これがまた超素晴らしい。
穏やかな夜、きらきら美しいランプに光が灯るような1枚目のアルバム『LIGHT』。そして、その約3年後にリリースされた2枚目のアルバム『TELEPATHY』。こちらのアルバムは、見知らぬ異国の可愛らしい町並みを歩いているような気持ちになる作品だ。どちらのアルバムもアコースティックならではの音色が心地よく響く、素晴らしい楽曲が詰まっている。スペアザの既存曲をアコースティックでセルフカバーという試みも面白い。ちなみにアコースティック曲から逆輸入のような曲もあって、これまた対比が興味深い。大好きな音楽のまた違う一面が見られるというのは、こうもワクワクするものなのか、と思った。

さて、まずは、『LIGHT』から書いていこうと思う。なんの楽器を使っているのか分からないので、雰囲気しか書きようがないのだが、記してみよう。
表題曲「LIGHT」からの「March」の流れがとても好きだ。「LIGHT」のイメージは、この楽曲のMVそのままのイメージだ(夜、焚き火の前で演奏)。ぜひ聴いて観てみてほしい。「March」は明るく穏やかななかにも落ち着きのある曲だと思う。それぞれの音の重なり方が極上だ。アコギ(多分)を追うグロッケンシュピール(多分)、そして清らかな音を奏でるマンドリン(多分)、パーカッションの軽やかなでしなやかな屋台骨。どこをとっても惚れ惚れしてしまう。明るくおしゃれなだけでなく、色んな曲調のあるこのアルバムは、何度通しで聴いても飽きない。でも、やっぱり最後の「Wait for The Sun」は、メロディが美しくて笑みがこぼれてしまう。

次に2枚目のアルバム『TELEPATHY』について書く。待望のアコースティック続編である。これがまた最高なのだ。1枚目とはまた雰囲気が変わり、1曲目「WOLF」は温かみよりは青白磁みたいなイメージだ。ぴったりの色を検索していたらこの色を見つけた。そう、青みがかった白なのだ。ジャケットは真っ赤だし、イメージはチェコの可愛らしい民族衣装なのに、色の印象はこれだった。どこか不思議な感じのするメロディがとても心に響いて愛おしい。石畳を歩くときにとても似合う楽曲だと思う。手触りのある木、というよりは石造りにツタの這う街を散策している感じ、とでもいうのだろうか。スペアザは基本的に晴れた日、聴きながら散歩するのにぴったりだと思うのだが、この曲は曇りでも雨でもとてもよく似合うと思う。こういう雰囲気をまとった曲を今まであまり聴いたことがないな、と気づいて魅了されてしまった。次の曲「Wayfarer」は自分を迎え入れてくれる親しみのあるヨーロッパの町という印象だ。3曲目の「STEADY」もまた独特の雰囲気をまとった楽曲である。熱い心をうちに秘めてクールに振る舞うやつ、という印象だ。そして音の響きがもうグッとくる。大好きな曲だ。その後も素晴らしい楽曲がどんどん続く。このアルバムもまた、通しで何周も聴きたい1枚だ。最後の楽曲「Telepathy」も音の運びが最高だ。低音のメロディとアコギ(多分)とグロッケンシュピール(多分)の位置取りが絶妙で良い。

このアコースティック編成のライブもまた、とてもとても良かった。正直大好きすぎて、アコースティックツアーに行ったあと、あと5公演ぐらい追加したいわあ、なんて思ったほどだった。私はマンドリンが大好きで大好きで仕方がないのだが、好きなアーティストが好きな楽器を弾いてる、という状況にもまた喜びが溢れ痺れてしまった。
SPECIAL OTHERS ACOUSTICは、いつ聴いても幸せな気持ちで満たされる。そんな音楽に出会えて良かったなと、心の底から思う。

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