6月の気持ちよく晴れたある日の日記

あまりに気持ちよかった日があった。
梅雨に入り、ジメジメとした空気と断続的に降る雨、重い曇り空にうんざりとしていた日々の合間のことだった。気まぐれのように、ふと空が晴れ渡り、湿気のない涼しい風が吹き込む日があったのだ。

朝、起きると半袖では少し肌寒く感じるほどだった。今日も快適な1日になりそうだ、という予感に嬉しくなる。数日前まで湿気と暑さに辟易していたところだった。

カーテンと窓を全開に開け放つ。部屋の中に風と光が差し込んだ。
朝食をとったあと、人をダメにするクッションにもたれながら、ほぼ寝転んでいるような格好で窓を見る。窓枠と屋根に区切られた青空を、白い雲がゆっくりと横切っていく。考え事が過るが、流れる雲を眺めているうちに、だんだんどうでも良くなってくる。
時折、風が肌を優しく撫でる。テーブルの上の白紙が少し動く。
気づけば瞼が落ちていく。はっと気づき、また雲をぼんやり眺める。

風にのって、昼間の匂いがする。時間の匂いってなんなのだろう。早朝の匂い、昼間の匂い、昼下がりの匂い、夜の匂い、時間にはかおりがある。昼間の匂いは、きっと太陽を一番浴びている匂いだ。このかおりを嗅ぐと、いつもとても平和な気分になる。日曜日の昼間の気分みたいなやつだ。

気づけば夢を見るほど眠っていた。夢の内容は覚えていない。こんな快適な気候なのに寝潰してしまうのはもったいない、と思いつつ、幸せな気分で満たされている。
ふっとまた風が部屋に入ってくると、かすかに花のかおりがした。どこから運ばれてきたのだろうか。どの場所に咲いているのだろう。
完璧な昼間だなあと思った。

ほんの何気ない日、ひとときだったけど、あの幸福感を書き残しておきたかった。些細なことで喜びを感じられるのは幸せだと思う。贅沢な時間の狭間での出来事でも。
【今日の曲】
ASIAN KUNG-FU GENERATION「シーサイドスリーピング」『Easter』(2015年)

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