漫画『鬼滅の刃』が面白い

最近面白い漫画を沢山読めて嬉しい。『ダンジョン飯』『亜人ちゃんは語りたい』そして『鬼滅の刃』。

私はジャンプっ子であった。今は本誌を読んでいないが、『ONE PIECE』、『ハイキュー!!』『僕のヒーローアカデミア』『HUNTER×HUNTER』『約束のネバーランド』は追いかけている。かつて連載していた作品の漫画もいくつか持っている。ほどほどのジャンプっ子だ。
最近、『鬼滅の刃』の単行本を一気に読んだ。これがまた、面白かった。自分が面白い、と感じる漫画を振り返ってみると、定型、テンプレートを感じさせない、という部分がある気がする。
漫画を読み進めているとき、こういう場面からはこうくるな、と想像していなくても、どこかで見たことのあるような流れが来ると、やっぱりな、と思ってしまう。こういう感覚は、意識していないにもかかわらず感じてしまうのが不思議だ。
ただ、『鬼滅の刃』はそういう部分がなかったのである。話の大枠は「ありそう」な物語でも、詳細の部分、人の言動、行動、描かれ方が今まで見たことがない。すごく面白い。

『鬼滅の刃』を読んでいて大好きなシーンがいくつかあるが、それは大抵、主人公炭治郎の「優しさ」にまつわる場面だった。
「優しさ」といえば何を思い浮かべるだろうか。
人に親切にすること?怒らないこと?あとなんだろうか。ともすれば説教くさいメッセージになりかねないこの「優しさ」が、とても上手く描写されているのだ。炭治郎は優しいが甘いわけではない。怒るときは怒るし、呆れた視線を仲間にむけることもある。どの話も押しつけがましくない、でも大切なことが描いてある読んでいて楽しい漫画だ。
シリアスとコミカルのバランスも絶妙だ。この物語は、笑えるし、泣けるのである。この設定だからこそ生きてくる場面、そのキャラクターだからこそ笑える言動や行動、それが鮮やかに描かれている。それぞれのキャラクターにフォーカスした過去話も毎回印象的だ。またいくつもの謎も残されており、端々で少しずつ明かされていくのもワクワクする。
話も面白いが、絵も良いのだ。目の描写など独特で、きれいな光の入り方だなといつも思う。クラックビー玉みたいだ。コミカルパートの顔もじわじわくる。

単子本は、1冊読み終わったあと、すぐに次が読みたくなる。そういう意味で言うと週刊連載は刊行スピードがはやくてありがたい。昔はジャンプが発売する1週間にすらうずうずしていたが。『鬼滅の刃』もまた、先がどうなるか気になって仕方がない漫画のひとつである。

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