面白い漫画が読みたい人に『ダンジョン飯』を

今回の記事は、超面白い漫画が読みたいな〜という人にオススメする話だ。

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人生で10作品選ぶなら漫画リスト

私には「人生で10作品選ぶなら漫画リスト」というものがある。そのときの自分の状況や心情によって、入れ替わりが激しく起こるリストだ。しかし、『ダンジョン飯』は初めて読んだときから、ずっと入り続けている作品なのである。

今日はその10本の指に入る、はちゃめちゃ面白い漫画『ダンジョン飯』について書こうと思う。
なお、明確なネタバレは避けるつもりだ。

著者、九井諒子先生の作品

この『ダンジョン飯』、著者は九井諒子さんである。九井さんのイメージはもともと短編を沢山描いていた方、という印象だった。
『ダンジョン飯』は初の長編作品である。ちなみに短編集についても、どれも非常に面白い。笑えて考えさせられ、グッときて心に残る。舞台設定が緻密だったり、そういう状況だとそうなるよね、という想定が非常に納得させられたりするのだ。
龍の食べ方を描いたり、ケンタウロスが日常に溶け込んで働く様が描かれている話などその描写力に感嘆してしまう。
現代の日常感覚にファンタジックな存在などをうまく落とし込むところがとても愉快だ。
下の作品集は、短い話ばかりを集めたものだが、内容が濃くどれも印象に残るのがすごいので一度読んでみて欲しい。もちろん他の短編集もおすすめだ。

『ダンジョン飯』の概要と感想

さて、本題に入ろう。
ひとまず『ダンジョン飯』という作品の内容をざっくり書く。このお話は、ダンジョンを舞台に繰り広げられる冒険と食の物語である。ただ、既存の冒険作品のイメージとは一線を画す緻密さやある種のリアルさを感じる。そして、その考え抜かれた舞台設定が非常に濃い面白さを醸し出していると思うのだ。
最近新刊である第7巻が発売された(2019.04.20時点)。もう本当にめちゃめちゃ面白かった。漫画を読んで声を出して笑う、ということがあまりなかった人間なのだが、『ダンジョン飯』については毎回ゲラゲラ笑わせられているのだ。
謎解きもシリアスなシーンもあれば、登場人物は大真面目なのに、口調や出来事が笑いのツボに刺さってくるシュールさも天下一品なのである。上記で書いた短編集の話でも触れたように、九井さんの描く設定は、本当に緻密だ。そしてありふれた日常までも想起させられる。
一方で、登場人物も魅力的だ。外部の人間から見れば優秀と評価されているような人物も、ひとたび内側に入るとマヌケだったり、感情が鮮やかで、視点が転換されるときのギャップも面白い。読者ははじめ、パーティーメンバーと行動することになるので、巻が進むにつれて様々な情報がさりげなく開示されていくのもワクワクが広がっていく要素のひとつだ。
舞台設定が遠く離れたダンジョンでも、どこか身近に感じてしまう何かがある。

この『ダンジョン飯』、はじまる前から、話の流れも設定もかなり明確に考えていたのかなあ、と巻を重ねるごとに感じる。そして、話がすすむにつれて色んな謎が謎を呼んだり、衝撃の事実があったりと、夢中にさせられるのである。

こんな面白い漫画、読んだことない! と私はひっくり返って笑ってしまった。素晴らしい作品に出会えて幸せだ。

ちなみに掲載雑誌の『ハルタ』は付録が魅力的だ。私は、単行本しか買わない主義だが、あまりに惹きつけられて、本誌も購入してしまった。2020年5月時点で、まだ豆本が付録の号も販売していた。こういう雑誌は気づくと取り扱いがなくなってしまうので、早めに手に入れるのが吉だ。

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