映画『ペンギン・ハイウェイ』の生活に憧れて

『ペンギン・ハイウェイ』という映画をご存知だろうか?
どういう話かというと、見所のある少年が、不思議な出来事を解き明かそうとする物語である。原作は小説で、森見登美彦氏の作品だ。映画は制作がスタジオコロリドで、石田祐康さんが監督である。
以下に羅列する言葉に惹かれる人には、特におすすめの作品だ。
夏休みの過ごし方、子供たちの冒険、素敵な暮らし、知的好奇心、街の風景と裏山に隠された草原
興味が出てきた人に向けて、話を続ける。
私がこの作品で特に心惹かれたのは、生活水準の高さだった。描かれている登場人物が素敵な生活をしていて、単純に羨ましい。街並みも居心地のよさそうなカフェも、ペンギンが出現するところも素敵だ。ついでに登場人物の服装も良い。スタイリッシュにオシャレというより、日々を大切に生きてる感じなのだ。
また学校では、チェスが流行っている描写がある。チェスが身近にある環境、それも小学校で、というのはなんだかとても憧れてしまう。私も小学生のときチェスを嗜んでみたかった。しかも、主人公は憧れのお姉さんと素敵なカフェでチェスをするのだ。私も憧れのお姉さんと素敵なカフェでチェスしてみたかった。
一方で小学生らしい描写、年相応な描写もたくさんある。嫌な奴も出てくるし、良い奴も出てくる。小学生らしい言動や行動をみているとついつい、自分の幼い頃を思い出してしまう。
その行動のなかのひとつに、探検、冒険がある。謎を解くために少年たちは川を探検するのだ。あなたにも身に覚えがあるのではないだろうか。この道はどこに続いているのだろう、自分の街の冒険地図を作ってみよう、そんなワクワクするような手触りがこの作品にはあった。

もともと私は、原作の小説を読んでいた。映画を観る数年前、『ペンギン・ハイウェイ』が新刊として出版された頃だったと思う。
その当時、森見さんの作品は京都の腐れ大学生の話が多かった印象がある。この『ペンギン・ハイウェイ』はそのなかでも毛色の違う新境地ともいえる作品だった。そして、一回読んだだけでは内容をほぼ忘れてしまう私にも、いくつかの深い印象を残した作品だった。そのなかでも一番印象に残っている台詞は映画になかったので、もう一度原作を読み返したいな、と思った。しかし、よくあの作品を映像化したなあと思う。本当に色鮮やかに心に残る映像作品だった。
終盤の景色もとても良かったのだ。そう、そうなんだよ、ペンギンはそういう生き物なんだよ!ととても嬉しい気持ちになった。

またいずれ小説を読んだら、映像作品との対比を書けたら面白いかな、と思う。『ペンギン・ハイウェイ』のコレクターズエディション、アオヤマくんのノートなども付いていて盛りだくさんでおすすめだ。けっこう重要なことが書いてあって、ほー!っとなった。

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