前回オススメ曲について書いたなかで、円盤を買うならベストアルバム1、2、カップリング集の『フィードバックファイル2』で、入門は完璧ではないか、という話を書いた。
ということで、今回はASIAN KUNG-FU GENERATIONファーストベストアルバム『BEST HIT AKG』について紹介する。
『BEST HIT AKG』の概要
『BEST HIT AKG』は2012年にリリースしたアジカンのベストアルバムだ。計17曲収録されている。次項で選曲について詳しく書くので、ここではさわりだけ記そうと思う。17曲はまさにアジカンの王道、表面といった趣がある。フェスやライブの定番曲「君という花」「リライト」「ソラニン」はもちろんのこと、シングルではないがライブで大盛り上がりする大名曲「アンダースタンド」が入っているところが良い。
このCDの初回盤には『君繋ファイブエム』全曲再現スタジオライブ映像がついている。この映像についても後々、詳しく書く。
歌詞カードには、メンバーがそれぞれの曲にコメントしている文が載っている。
ベストアルバムの選曲について
選曲については、当時のゴッチの日記(2012年1月11日「骨盤」など)や、 音楽雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』の巻頭表紙号で伺い知ることが出来る。余談だが、このときにゴッチが日記で発表した「骨盤」「芋盤」のリストは後に円盤化され、2枚目のベストアルバム『BEST HIT AKG 2』と同時発売したのである。その後、ツアー「BONES & YAMS」が開催され、ガチファン歓喜ツアーとなったのは記憶に新しい。セットリストが最強の仕上がりになっていたのだ。その模様は映像作品集14巻で観ることが出来る。
話を戻し、選曲について語られたインタビューを引用する。
●なんとこれはゴッチ以外のメンバーによる選曲で。誰がセレクション部長なの?
伊地知潔(Dr)「部長はいないんですけど。3人で出し合って。それで僕と喜多くんがですね、偶然一致しまして。それがあっさり採用みたいな感じで」
喜多建介(G・Vo)「そうですね。17曲ぐらいは入るところで、17曲出し合って。潔と曲目が全部一致して」
『ROCKIN'ON JAPAN』 2012年2月号、2011年、ロッキングオン、p32
このあとのインタビューで、選曲の面白エピソードのあれこれが語られている。
しかし、これだけ曲数があるなかで、シングルという指針があるものの選曲がそろうのはすごいなと思う。
確かにアジカンを知るための入り口としてはとても納得の楽曲たちである。アジカンの代表曲、タイアップ曲のような看板と、ターニングポイントが具合良く並んでいる。
また雑誌の中でこの話の後は、『崩壊アンプリファー』からベストアルバムに至るまでのアジカンの歴史をメンバーが振り返って語っており、笑いあり涙ありな必読のテキストとなっている。涙はないかもしれない。加えて別冊付録は、BUMPのGGTツアースペシャルブックというヤバさだった。まさかのフジファブリックも掲載されているので、完璧の号である。
ちなみにこの選曲の話は、『ASIAN KUNG-FU GENERATION THE MEMORIES 2003-2013』でもメンバーが語っていた。
初回限定盤DVD『Return To The Basics vol.1』
『BEST HIT AKG』の初回盤にはスタジオライブ映像がついている。これがすごいのだ。1stフルアルバム『君繋ファイブエム』の収録曲が全曲、曲順通りに演奏されている。ライブでの『サーフブンガクカマクラ』全曲再現や『ソルファ』全曲再現といい、アジカンはこういうところが本当にすごいなと思う。アルバムの曲順で、リリースから時を経て演奏を聴けるというのは、感動もひとしおである。アルバムリリースツアーですら、全曲曲順再現はあまりないことなのに。
余談だが、年末フェスCOUNTDOWN JAPAN 11/12の舞台で、彼らはこの君繋全曲再現を行っている。なにそれ・・・・・・。ようはフェスでBUMP OF CHICKENが1st『FLAME VEIN』を、あるいはフジファブリックが1st『フジファブリック』を全曲やるようなもんである。なにそれ。
当時のことをゴッチはこう語っている。
なんの説明もなく演奏したら、一部の観客から「アジカン全曲新曲だった!」と言われたライブですね。笑。 RT @kino666tnc: @gotch_akg CDJでも君繋再現ライブしてましたもんね!
— Gotch (@gotch_akg) December 9, 2016
※リンクは通常盤
おすすめ記事
コメント