前回はフジファブリック、前々回はBUMPと冬に聴きたい曲について書いてきた。今回はアジカンだ。ド直球でいく。
「粉雪」『崩壊アンプリファー』(2002年)
「粉雪」はイントロが本当に格好いい。これが初期曲かーと聴く度に思う。サウンドの格好よさがピカイチだ。暗いなかぶわっと細かい雪が舞ってる絵が浮かぶ。情緒とかはなさそう。そこがよい。こういうダークな一方でメロディを口ずさみたくなる曲が、アジカンはとてもうまい。「Caterpillar/芋虫」とかもそうだ。アジカンファンにとって「粉雪」はレミオロメンより、こちらが先に浮かぶんではないだろうか。
20thツアーで久々に演奏された。なんかもうやらない気がする。やってよ!
「真冬のダンス」『ファンクラブ』(2006年)
フジの回では『CHRONICLE』というアルバム自体に冬、あるいは雪のイメージを持っていると書いたが、アジカンの場合『ファンクラブ』に同様な印象を抱いている。寒い冬に家のなかで布団に丸まって聴きたいアルバムだ。なかでも今からの季節にぴったりなのが「真冬のダンス」だろう。この曲には、どこかのどかさがあって、何の変哲もない閉塞感のある日常のつらさを和らげてくれる。特にギターの音色が印象的で、退屈の上で軽やかにダンスしているような様子が浮かぶ。
この曲はファンにも支持者が多く、ゴッチも気に入っている様子なので、ライブでやってくれないかな~と期待している。骨芋もホームタウンツアーも春夏だったもんね。20thは冬だったけど、やるタイミングでもなし……。ちなみに伊地知 潔 360°(山ちゃんゲスト回)にて、演奏された。
「夜のコール」『フィードバックファイル2』(2014年)
「夜のコール」は曲自体は2009年のコンピ収録が初出である。
もう何度も「夜のコール」が登場している気がするのは、この曲にフットワークの軽さがあるからだろうか。「おすすめMV3選~ASIAN KUNG-FU GENERATION編~」でも書いたようにMVが最高なのである。
曲調は明るく疾走感がありロックなアジカン。歌詞は、韻の踏み方がクセになって面白い。口ずさむととても気持ちよくなる1曲だ。しかし、ただの明るいロックと見せかけて、そう一筋縄ではいかないのがアジカンのアジカンたる所以だろう。歌詞はどこか自らにも突きつけるような命題で、その答えも書いてあるところに胸が熱くなる。
余談だが、「BUMP OF CHICKENのテーマ」と似たようなこと歌ってて、でも最後がどちらもそのバンドらしくて、不意に心臓を掴まれた気分になった。だからこの音楽たちを愛しているのか。
アジカンも結構冬モチーフ、あるいは雪が登場するんだな、と感じた。意外と、でもないが、季節感を持つ歌が実はある。バンドによって季節ワードを歌に込める方法が違うのも面白いなと思った。
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