大好きな音楽のルーツたち~アジカンとBUMPの小話~

かつて私は、大好きなバンドたちがどんな音楽に影響を受けてきたかについて、そんなに興味がなかった。だって私が好きなのはそのバンドだし、と思っていた。最近のやつは洋楽を聴かない、とか嘆かれても、だって日本に素晴らしい音楽たくさんあるから、そっちまで手、回らないし、と思っていた。
ある日、図書館の情報コーナーに行ってみると、アジカンがよく話す海外バンドのCDがあったのだ。とりあえず借りて聴いてみた。
そして私は、いよいよ洋楽の扉を開く。

実は今も、バンド自体に比べれば、ルーツにそんな興味のない方なのだが、それでも、その大好きなバンドが影響を受けたという音楽を聴くと楽しい、という気持ちは芽生えている。洋楽にピンと来なかったのは、耳の下地が出来ていなかったからだ、とも思う。

まずは、他の音楽の話を積極的にするアジカンについて。よく彼らの口から出るバンド名は、Weezer、Oasisではないだろうか。もちろん、洋邦問わず、また世界中の音楽の話をするイメージもある。が、この2つのバンドは、彼らにたくさん影響を与えたんだなあ、という印象がつくくらい、よく話していると思う。
最初、Weezerの『Weezer』を借りて聴いてみる。「Surf Wax America」という曲から『サーフブンガクカマクラ』というアルバムのタイトルがきている、というような話をどこかで聞いたからだ。大好きなアルバムにまつわる曲なら聴かねば、と思いこのアルバムを手に取ってみた、というのもある。そして聴く「Surf Wax America」。アジカンじゃん、と笑ってしまった。前後関係はもちろん逆なのだが、そう思ったのだ。どこら辺が? と聞かれると答えられない。だが、系譜だ、アジカンはこの系譜を受け継いでいる、と直感した。他の曲を聴いても、確かにめちゃめちゃ影響受けてるな、と思った。この感覚がとても不思議だったし面白かった。音楽理論やコード進行の意味合いをよく理解していなくても、人は直感で同じ匂いを受け取ってしまうのか。

BUMPの場合、聴いてみたのはThe Poguesの『The Best Of The Pogues』だ。藤くんが名前を出していたので、借りてみたのである。
そして聴く。ああ、これ、藤原基央だ、と思った。アイリッシュの匂いがそう感じさせたのだろうか。本当に、何が、といえないのがもどかしいのだが、確かに影響を受けたというのを感じ取ることが出来るのだ。

そのバンドらしさって何で出るんだろう。そのバンドと他との差異とはなんなのだろう。
ずっと考えているけれど、答えは出ていない。メロディだけでなく、歌詞からもそのバンドらしさは大いに溢れ出る。BUMPなんか特に顕著だ。

文化とは、連綿と続く人々の創造だと思う。その延長線上に私たちもいる。そんなことに思いを馳せる夜だった。

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