オーディエンスの立ち振る舞い~ライブマナーって言うけれど~

メンバーが登場し、楽器を掲げる。客は拍手と歓声をおくる。チャッチャッチャッチャとカウントを取るドラムの音が聴こえる。ギターがベースが、そして歌声がその耳に真っ直ぐ届き鼓膜を揺らす。待ちに待った楽しいライブのはじまりだ。

さて、ライブ中、目の前で繰り広げられる音楽に没頭したい、といつだって心の底から思う。だって目の前で、大好きな人たちが大好きな曲を演奏しているんだから。この奇跡みたいな瞬間を全部、目に、耳に、心に焼きつけたいと本気で思う。
しかし、自分ひとりで聴いているわけではない、それがライブなのだ。
ライブは人と人との距離が日常生活では考えられないほど近い分、やはりある程度配慮しなければならない部分がある。ただ、そんな非日常だからこそ、味わったことのない体験や、出会ったことのない感情を知ることができるのだ。

ここからが本題だ。
SNSなどでは定期的にライブマナーが話題にのぼる。せっかくお金を払って大好きな音楽を聴きに来たのに、はた迷惑な人間のせいで楽しい気持ちを損ねられた、という内容が多いのではないだろうか。
私は基本的に、ライブでは他人に迷惑をかけなければ、その人の思うまま自由に聴くことが出来るべきだ、と思っている。この「他人に迷惑」の基準は人それぞれなので難しい。また、バンドやアーティストによっても会場の雰囲気が違うのだ。
よく話題にのぼるのは、靴、帽子、髪の毛、合唱、おしゃべり、手を上げることなどではないだろうか。

靴はスタンディングで流動がありそうな場合、ヒールは止めて欲しい、という内容をよく見かける。足を踏まれた側が大けがしてしまうからだ。後ろのスペースのあるところで聴くならば問題ないと思うが、そもそも足が疲れると思う。

帽子は特にニット帽だ。頭の形にそったものならなんとも思わないが、そこに頭入ってないだろ、みたいな空間が突出していたり、ポンポンのついてる帽子やお団子頭を見ると、収穫するぞ、という気持ちになってしまう。こっちは1cm2cmの視界が超重要な問題なのである。場所を移動できればまだよいが、どうにもならないときほどそういう目に遭うことが多い。また髪の毛の長い人は括らないと、飛び跳ねた拍子に他人の口に入ったり、目に入ったりすることがある。これは双方嫌な気持ちになるだろう。

合唱問題はよく議論されている話題だ。もちろん、アーティスト側が客に向かって「歌って」と煽る場合は大きな声で歌えば良いが、ライブ中全部声を出されるのはしんどい。私だったらそっと違う場所に行く。許さないぞ派は、あなたの歌を聴きに来たのではない、カラオケに行け、と思っている。
あと、MC中にずっとお喋りをする輩もいる。上記と同じように、あなたのトークを聞きにきたのではないので頼むから静かにしてくれ、と思う。人が喋っているときは静かに聞きましょう、とかライブマナー以前に普通のマナーだと思うんだけど、どうなんだろうか。

手を上げる、というのは、曲にあわせて上下に手を振りリズムを刻んだりすることだ。サビに多いイメージがある。これもあまり大ぶりにやると人にあたりまくったり、あまり周囲のことを顧みずやると他人にケガさせてしまう場合がある。ただ、手を上げる場面は、人によっては結構多いと思う。

書くのは二度目だが、人と人との距離が近い分、トラブルも起きやすい。一方で、だからこそ感情も伝播しやすいと思うのだ。日常生活にはない心の動かされ方が起こるのも、ライブという特別な空間で、かけがえのない時間を過ごすからなのであろう。

こういう文章がライブへ行きにくくしてしまうのだろうかと思いつつ、しょっぱい目や酷い目に遭う人が減ったら良いな、と今回この内容を書いた。
人の行動を制限する意図はないし、ゴッチがよく言うように自由に踊ったり、皆と全く同じ行動を取る必要も確かにないのだと思う。

音楽にあわせて心を動かすのは楽しい、本当に伝えたいのはそれだけだ。

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