ライブのネタバレが怖い人〜自衛の騎士〜

ライブのネタバレを忌避する側の話も書いておこうと思った。配慮しろ! とか言うつもりは毛頭ない。なぜなら、はなから全力で避ける心づもりだからだ。ただ、こう思う個体もいるって話を書いておきたかった。皆が皆、ネタバレに目くじら立てすぎじゃない? 私は、俺は、気にしないよって人ばかりじゃない。

ライブのネタバレが怖い。行く前は、そのツアーについて、大袈裟に言うならば、何一つとして情報を入れたくない。知っているのは最低限、会場の場所と開演時間だけでいい。いや、グッズは買いに行くけれど。
この傾向が強いのは、ひとつのツアーに何公演か行く予定のあるときだ。1公演だけや、そこまで聴き込んでないアーティストの場合は、前もってセットリストを確認することもある。別に知らなくても楽しいけど、知っていても楽しいからだ。そして大抵、なんらかの行動を起こしていると、プラスに働くことが多い。

では、何公演も行く予定のツアーで、ネタバレをこれほどまでに忌避するのはなぜか。
答えは簡単だ。会場に入った瞬間の、初めて目にしたときの、耳にしたときの、自分の感情を最大限に大事にしたいからである。その瞬間は、一生で一度きりなのだ。そのツアーとの、初対面は、その1回しかない。5公演行くのに、その大事な大事な1回を守り切らないなんてこと、私の選択肢にはない。

ここで本題に入る前に、同じツアーへ何公演も行くことについて、書いておきたい。これにはきっと賛否両論あるんだろう。行く側としては、正規の手続きを踏んでチケットを取り、四苦八苦ジタバタ日程を調整し、人生の楽しみを全力で享受したいんだ、とか言いたい。
もちろん、地元の人に来て欲しいんだろうな、色んな人に来て欲しいんだろうな~~~とは思う。分かっている。分かっているんだ。
でも、私は私で、その曲をあと何回、目の前で聴けるか分からない。音楽に対する好きな感情を持ち合わせ、最高の人生だ、と思いながら聴けるのは、今、この瞬間しかないのかもしれない。
その会場で彼らの演奏を聴いてみたいという思いや、その日程でしかライブに行けないという色んな事情を抱えて、この選択をしている。あと好きな曲は何度聴いても嬉しい。何度も聴きたい。限りある人生を大好きな音楽で埋めたい。そんな思いをもって会場に向かう。

閑話休題。つまりは、ファーストコンタクトをすごく大事にしたい思いが強すぎるのだろう。もちろん、何かを知ってしまったとして、楽しさ半減なんて全く思わない。ライブの本質はきっとそこじゃない。
そういう生態を持った個体もいるという話だ。自覚したのは、今まで色んな状態でライブに赴いて、ひとつひとつ発見し自らを知ったからだ。
自分の性質を自覚しているので、ツアーに行けるまではSNS断ちをする。フジの情報が見たくて、うっかりアプリを開いたらアジカンのネタバレをくらうこともある。不意に見てしまっても「うひ〜」と心のなかで思うだけだ。不幸な事故なのだ。じゃあブロックでもすればって? ネタバレは見たくないけど、その他情報は、知りたいのである。難儀だなあ。

ただ、これは言っておきたいのだが、公式やメンバーがライブ写真をアップすることに対して批判とかは、全然、特にない。ライブの様子を見て行きたいなあと思う人がいれば万々歳だ。こっちが全力で避けて、ブチあたったら不慮の事故だ、と思う。それだけのことである。

人の数だけ考え方がある。その一つ一つをまるごと大事にするなんて無理だ、気が狂ってしまう。
でも、こう思っている奴もいるということは言いたかったから、ボトルに手紙を詰めて海へ浮かべるように、私の思いも流しておこうと思った。
ネタバレ怖い自分の身は、自分で守るしかないのだろう。節制した後のご飯はそりゃあもう美味いし。その方が孤高の騎士みたいでかっこいい。まあ、つまみ食いも美味しいけどね。

そして、私は、情報に触れた誰かが、アジカンのライブ楽しそうじゃん! 良さそうじゃん! って興味持ってくれる方が断然嬉しい、なんてことを思うのであった。

ホームタウンツアー、最高なんだ。音楽を好きで本当によかった。

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