バンドの物語が読みたいときに漫画『ロッキンユー!!!(ロッキンニュー!!!)』を

『ロッキンユー!!!(ロッキンニュー!!!)』(石川香織 著)という漫画がある。
『ロッキンユー!!!』はジャンプ+で連載していた作品で、単行本は全4巻出版されているが、現在商業版は新規出荷停止となっている。
その続き的な位置の作品が『ロッキンニュー!!!』であり、こちらは同人誌などで発行・配信されている。

既存の作品で、登場人物の惚れた腫れたがメインの、舞台はバンドという物語はいくつか思い当たる。そうじゃない、そうじゃないんだ、バンドそのものの物語が読んでみたいんだ、と思っていた。まさにそんな渇望を満たしてくれたのが『ロッキンユー!!!(ロッキンニュー!!!)』である。

そもそもバンドヒストリーというのは総じて面白い。

【まとめ】音楽系書籍の本棚
音楽観系の書籍についての記事をまとめました。雑誌の特徴から、BUMP、アジカン、フジの本の話、エッセイなどについて書いた記事があります。

上記の記事を見てもらえれば分かるとおり、バンドの歴史を綴った本は結構出版されている。そして、どういう道を歩いて今に至るかという話はいつだって興奮した。
色んなバンドがいる。幼稚園からの幼馴染み、社会人を経てのメジャーデビュー、作詞作曲をしていたフロントマンがいなくなってしまったバンド、解散したバンド、色んな物語を覗いて、音楽が好きなだけだった自分の世界は、ずいぶん広がった。
その興味深さに惹きつけられて、バンドそのものに焦点を当てた物語ってないのだろうか、と思っていた。音楽と出会って人生を変えられる人間の話が読んでみたい、どうやってバンドを組んで人々に聴かれるのかそういうところを描いた作品はないのだろうか、と。
『ロッキンユー!!!(ロッキンニュー!!!)』はド直球で心に刺さった。
簡単に内容を紹介すると、それまでオルタナティヴ・ロックに触れたことのなかった明るい高校生が、地味で根暗そうな先輩のヤバい演奏に衝撃を受け、ロックの扉を開くお話だ。作中には端々にロック好きがニヤッとする言葉が散りばめられ、登場人物の行動や発言にガツンと頭を打たれる。ちなみに個人的には、フジファブリックやアジカンの曲名が登場してニヤッとした。
言葉や雰囲気などに独特な感じがあるので、少し人を選ぶ部分もあるかもしれないが、“バンドが好き”な人は、特に楽しめる作品だと思う。あるいは、この物語をきっかけに音楽の扉を開く人がいるかもしれない。それはとてもワクワクすることだなと思う。
現在、同人誌を購入し追っているが、もっともっと読みたいと熱望する作品の一つである。とはいえ、物語の続きを描いてくれるだけで大変ありがたい。

【今日の曲】
BUMP OF CHICKEN「リボン」『TOUR 2017-2018 PATHFINDER SAITAMA SUPER ARENA [Live]』(2018年)
RADWIMPS「トアルハルノヒ [Live]」『Human Bloom Tour 2017 [Disc 1]』(2017年)
スピッツ「1987→」『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』(2017年)

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