BUMP OF CHICKENの映像作品のなかに『人形劇ギルド』(2006年)という物語がある。これはライブ映像やビデオクリップ集と趣が異なる作品だ。BUMPの楽曲「ギルド」をもとに制作された、人形たちが動くアニメーションである。
全編を通して人形の声はなく、BGMと人形の動き、そして舞台によって世界が表現されている。BUMPがガッツリと制作に関わった作品なので、ぜひ一度観てみて欲しい。後述するが、メンバーも登場する。
この物語は楽曲「ギルド」のインストアコースティックバージョンからはじまる。そして、それ以降、「ギルド」と同じように、石を砕くような炭鉱の音が作中に、ずっと後ろで流れているのだ。それが登場人物たちの住むまちの雰囲気を表している。
そしてこの作品、なんといってもBGMが極上なのだ。サントラを出して欲しい。というかライブに使ったSEなど、今までBUMPが作り使用したインスト曲のサントラを出して欲しい。
話がそれたが、このBGMたちは「車輪の唄」「月虹」あたりのあの民族っぽい雰囲気が好きな人には、特にぜひ聴いてほしい音楽たちだ。『SONG FOR TALES OF THE ABYSS』といい、藤原基央のつくる音楽が大好きなんだよなあと心底思う。
さて、そんな素敵な音楽が寄り添う物語は、やはり涙なしでは観ることができない。BUMPの楽曲にある世界観がここにもやはり、鮮やかに反映されている。
物語の終盤には、楽曲「ギルド」が流れるのだが、これが物語の展開とあいまって心に刺さる。物語の時間もそれほど長くなく、まとまっているが、詰め込まれたものの密度は濃い。
次に付属品の話をしよう。ブックレットには人物紹介、セリフ、「ギルド」の歌詞、そして藤くん直筆の物語初稿が載っているのだ。これも必見である。
特典は登場人物たちのシールやノートなどがそれぞれあった。
そして、この作品での隠しに位置するメンバートークは、ポンツカみたいにゆるい感じだ。同じまちに住む住民みたいな体で話している。あと衣装が可愛い。蝶ネクタイやスーツを柔らかい感じで着ている。「車輪の唄」や「Merry Christmas」のMVが好きな人にぜひ観てほしい。
『人形劇ギルド』を観たことによって、楽曲「ギルド」を聴く世界観が広がった気がする。あと、改めてBUMPから出てくる音楽が非常に好みであることを痛感する。
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