前回、前々回、前々回とアジカンの名古屋公演について書いてきた。
・先行物販と入場の話
・【ネタバレ】セットリストの話
・【ネタバレ】ライブ本編の話(前編)
前編では、ライブ序盤、中盤での楽曲についてや、演出について書いた。今回はその後編だ。話は、アコースティックセットが終了したところからはじまる。
MCで「カバー曲をやります」というゴッチのアナウンスの後、掻き鳴らされるのは、なんと、あのスピッツの『グラスホッパー』なのである!
このカバー、『JUST LIKE HONEY -ハチミツ 20th Anniversary Tribute-』に収録されている。スピッツの『ハチミツ』というアルバムのトリビュート作品である。この話は、「アジカンのギタリスト喜多建介が歌うのだ!」という記事に書いた。トリビュート自体については
に書いているので、興味があったら読んで欲しい。
さて、おそらくアジカンで「グラスホッパー」が演奏されたのは、このツアーが初めてである。ほぼ確実に、この曲は聴ける! と分かっているのも、ツアー固定曲の醍醐味だろう。
このカバーを聴ける日が来るなんて! と非常にテンションの上がる一幕だ。ゴッチが普段の歌詞には登場しないようなマサムネワードを放ち、サビはギターの建ちゃんが歌う、珠玉の時間だ。前述の「喜多建介が歌うのだ!」にも書いたが、建ちゃんの歌声は、スピッツのボーカル草野マサムネの系統上にいる声質だと思っている。これがまたこの曲に似合うのだ。スピッツの「グラスホッパー」は、無邪気さと色気がない交ぜになってキュンとくるが、アジカンの「グラスホッパー」は、漢!!! という感じなので、ぜひ聴いてみてほしい。
この流れで、次にくるのは名曲「八景」だ。この楽曲は2016年発売『ブラッドサーキュレーター』のカップリング曲で、ギターの建ちゃんがボーカルを務めている。まさに、彼らの地元金沢八景を彷彿とさせる、風情をもった揺蕩う海のような曲だ。印象的な曲の展開、がんばって歌う建ちゃん、生暖かい目でみるゴッチなど、見所たくさんの名曲である。
そして次に雪崩れ込むのは、山田が炸裂する「イエロー」だ。この曲に移るとき、建ちゃんが山ちゃんを指差す動作が大好きなのである。ぜひ注目して欲しい。さて、山ちゃん、コーラスはたびたびやっているが、今までピンで歌うことはほとんどなかった。そんななかでの山田ボーカルである。場内がワァッと湧く。また、「イエロー」、楽曲自体がめちゃめちゃかっこいいのである。ちなみに山ちゃんが一瞬歌ってると言えば「雨上がりの希望」という曲がある。この曲については「アジカン『フィードバックファイル2』の話」で触れている。
ここまでがゴッチ以外ボーカルコーナーである。「グラスホッパー」でゴッチ、建ちゃんがボーカルをとり、「八景」で建ちゃんが歌い、「イエロー」で山ちゃんとゴッチが歌う。流れがなめらかだ。そのうち潔も歌い出すんじゃないか。
余談だが、そういえば、中野サンプラザで演奏された「Opera Glasses / オペラグラス」でも一部建ちゃんボーカルがあり、テンションが上がった。また、多分予定にない部分までボーカルをゴッチが明け渡していて笑った。
この後は『ホームタウン』や『Can't Sleep EP』、日替わり曲が混ざった構成で展開される。
ホームタウンツアー、ああ素晴らしい時間だったなあと、あとからじわじわ実感するライブだ。もうすでに、いつかツアーが終わってしまうことに対して、酷く寂しい気持ちを抱いている。
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