【閑話回】“楽譜”のない音楽とフィドル

前回「バイオリン未経験者がフィドルのレッスンへ行って曲を習うまで」を書いた。ここでは、そもそもの弾く姿勢、開放弦で弾くことを学んだ話を綴っている。綺麗な音を出す道のりは遠いなと感じた一方で、バイオリンっぽい音が出たときの喜びは表現しきれない。

さて、今回は曲を習うタームに入る前に、ひとつ、フィドルに関係のある「音楽」の話をしようと思う。

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世界の音楽の話

フィドルは基本的に、楽譜がなくメロディなどを耳で覚え弾く楽器である。(とはいえ、現在のレッスンでは楽譜を貰えることが多い)

一説には、世界のなかで、“楽譜”のある音楽より、“楽譜”のない音楽の方が多いと言われている。
いわゆる西洋音楽には“楽譜”があるが、一方で、世界中の色んな音楽には楽譜がないことが多いのだ。ではどうやって音楽を奏でることが出来るようになるのだろうか。
その方法としてあげられるのが、口頭伝承である。音楽をその場で直接、耳で聴き、目で覚え、身体で体感する、そうやって学んだことは、ただ楽譜を見るだけよりも色んな情報を取り込むことが出来ると思う。
例えば、あなたがカラオケで好きな歌を歌えるのはなぜだろう。楽譜を見て覚えたのだろうか?
多くの人はきっと、その歌を沢山聴いて、自分で声を出してみるうちに歌えるようになったのではないかと思う。音楽は楽譜がなくても、人から人へ伝えることが出来るのだ。
そして、その道のプロから対面で教えて貰うということは、楽譜に書ききれない情報や感覚を直に学ぶことが出来る機会なのである。
フィドル独自の奏法もまた、五線譜に書き表せないため、先生に直接教えてもらい体得することが近道となる。この独自の奏法というのが、クラシック音楽では禁止されるような弾き方も含まれているようなのだ。

世界音楽についてのオススメの本

フィドルという楽器について」という項に書いてあるように、なぜ同じ楽器なのに“民族音楽”などでは「フィドル」と呼ばれ、クラシック音楽では「ヴァイオリン」と呼ばれるのか。この部分にも、「西洋音楽」とそれ以外の音楽という、ある一定の人々の認識が関わってくると思う。

今回の話に興味が出てきた方は『はじめての世界音楽―諸民族の伝統音楽からポップスまで』(柘植 元一 、塚田 健一、1999年、音楽之友社)という本がおすすめだ。気になったら、是非読んでみてください。

機会があったら、またこのテーマについて書いてみたいと思う。

フィドルシリーズ、次回は「バイオリン初心者のフィドル音階練習」の予定だ。

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