カバー、そしてトリビュートアルバムの話～BUMP編『SYNCHRONIZED ROCKERS』～

今まで、ちょくちょくカバー曲の話題を出してきたような気がする。今日はカバーの話題を中心に、書こうと思う。
まずはカバー曲の印象について綴り、次にBUMPのカバー曲について書く。

カバー曲について
BUMP OF CHICKENがカバーしたあの名曲

カバー曲について

カバーした曲をCDのような円盤として出す場合、トリビュートアルバム、またはカバーアルバムみたいな形が多いと思う。トリビュートアルバムの場合、ひとつのアーティストを色んなミュージシャンが演奏しているイメージだ。カバーアルバムだと、あるアーティストが、色んな人の楽曲をカバーしたものを集めている。
カバーされる楽曲というのは、往々にして、もとのもとの曲が大きな魅力に溢れているものである。その曲を違うアーティストが歌い演奏することによって、違う側面から、また良さを知ることが出来るのが、カバーの醍醐味のひとつだろう。
例えば、先日の記事「アジカンのギタリスト喜多建介が歌うのだ！」で出てきたスピッツトリビュートアルバムでは、アジカンがスピッツの楽曲『グラスホッパー』を演奏していることを書いたが、いつもとは違うそのバンドたちの色が放出されてワクワクする。それは曲自体についても言わずもがなだ。

BUMP OF CHICKENがカバーしたあの名曲

さて、トリビュートアルバム、実はBUMP OF CHICKENですら参加している作品があるのだ！

『SYNCHRONIZED ROCKERS (Tribute To The pillows )』(2004年)
「ハイブリッドレインボウ/BUMP OF CHICKEN」
このトリビュートアルバムは、本当に散々聴いた1枚だ。The pillowsというバンドの楽曲を色んなアーティストがカバーしたものを集めたアルバムだ。
ピロウズの原曲は、このBUMPアレンジより、ロックなバンドサウンドだ。どちらかと言えば、陽の気質だと思う。イントロが特にそうだ。
BUMPカバーの「ハイブリッドレインボウ」は、アコギがつま弾かれ、静かで穏やかな、曲調としてはメロディーフラッグを彷彿とさせるようなイントロからはじまる。BUMP OF CHICKENとして非常に上手いこと落とし込まれた、切実で泣きたくなるような素晴らしいカバーとなっている。
ちなみにこのトリビュートアルバム、どれもこれも最高なのだが、ELLEGARDENの「Funny Bunny」は本当にめちゃめちゃ聴いた。原曲はどこか可愛らしさがあり夢を見ているような雰囲気があるのだが、エルレアレンジはまさにザ・ロックバンドという仕上がりになっているのだ。余談だが、『SKET DANCE』という漫画に、この楽曲を主人公たちが演奏するシーンがある。私のなかではエルレバージョンで脳内再生されたものだった。
他にもnoodlesの「Vain dog（in rain drop）」、GOING UNDER GROUND「LITTLE BUSTERS」は散々聴いた。

原曲に寄り添いまるで完コピのようなリスペクトの仕方もあれば、そのアーティストの個性と見事に合致したアレンジもある。そのバンドが演奏するとまるでそのバンドの曲レベルで馴染んでいる楽曲もあれば、良い違和感が仕事して、ああこの曲にはこんな表情もあったんだ！　と目から鱗が飛び出す楽曲もある。
曲と演奏者が化学変化を起こすカバーは聴いていてとても面白い。