アジカン『フィードバックファイル2』を推したい話

実はCDアルバムには色々と種類がある。オリジナルアルバム、編集盤、カバー集などなど。今回はアジカンの歴史が詰め込まれている編集盤『フィードバックファイル2』について書く。

ちなみに前回は『フィードバックファイル』(2006年)の話を書いた。

アジカン『フィードバックファイル』をおすすめする話
アジカンの編集盤、『フィードバックファイル』の話を書きました。それぞれの曲について、感触を書きました。初期のアジカンの魅力が存分に発揮された名盤です。
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『フィードバックファイル2』の概要

2014年発売の『フィードバックファイル2』(以下FF2)は、まさにアジカン裏ベストともいうべき素晴らしい作品集だ。『NANO-MUGEN COMPILATION』(以下ナノムゲンコンピ)に収録された名曲から、アジカンの飛び道具B面曲から、本当にバラエティ豊かな内容となっている。
ナノムゲンコンピとはアジカン主催のフェスであるナノムゲンフェス出演者の曲を集めたアルバムである。
『フィードバックファイル2』は2006年から2014年の楽曲が収録された名盤なのだ。
それゆえに、ベストアルバムとともに聴けば、アジカンをまるごと知ることの出来る力を秘めた音源集なのである。

本当にこのアルバムの楽曲は粒ぞろいだ。大好きな曲がこんなに収録されているアルバムも珍しいな、と思いながら散々聴いた。今聴いてもなお変わらず最高だ。
もし私が、アジカンに興味を持ちはじめた人に、作品3枚とりあえず聴くからどれが良いと思う? と聞かれたら、必ず差し出すであろう1枚である。そもそも3枚とりあえず聴いてくれるなんて最高な人なんだけども。

収録曲の詳細

(2014年当時だと)現在期のアジカンとも言うべき「ローリングストーン」「スローダウン」という曲たちからこのアルバムはじまる。
そして、そこから一気に時を戻し2006年発売の『ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2006』収録曲の「十二進法の夕景」へと移る。ギターのリフが印象的で、まさに夕暮れを彷彿とさせる素晴らしい楽曲だ。1日が閉じはじめる時間の重たさが良く表れていると思う。そこからのサビの疾走感が心地よい。

その後、2008年ナノムゲンコンピの「夏蝉」、2009年「夜のコール」と続く。「夏蝉」もまた情景の思い浮かぶ素晴らしい楽曲だ。ロックで格好いい一方、終わりゆく時間を惜しむような切迫感を持つ。残暑の夕暮れ、影がのび夏の音が終わりゆく光景が目に浮かぶ。
「夜のコール」は本当に素晴らしい曲だ。歌詞がとても心に響く。深く青い夜に燦々と強い光を放つ星のような曲だと思う。余談だが、私がアジカンのMVのなかで一番好きな楽曲が「夜のコール」だ。ぜひ観て欲しい。

シングルB面に収録されていた楽曲は「白に染めろ」(2009年発売『新世紀のラブソング』カップリング)からはじまる。「白に染めろ」はBONES & YAMSツアー(以下骨芋ツアー)で聴くことができたのだが、なんて真っ直ぐなパワーを秘めた煌めく曲なんだと思った。この楽曲の持つ明るさや、ゴッチの声にたくさん救われた気がする。ギターのリフがまたとても良い。歌詞の重さに対して楽曲のメロディが明るい、というギャップにはいつも惚れ惚れしてしまう。歌詞は暗めなのに曲はポップ、みたいなものにとても弱いのだ。良いよね。しかし、あの骨芋ツアーは普段のオリジナルアルバム発売後ツアーのタイミングで1、2曲聴けたら良いな、というような楽曲が10曲以上聴けたヤバいツアーだった。

さて、『FF2』の話に戻す。「雨上がりの希望」(アメキーボ)では、珍しく一部分だけベースの山ちゃんの声が良く聴こえる部分がある。これは山ちゃんが作曲をしたことにも関係していると思う。ギター建ちゃんと山ちゃんが結成していたユニット“コスモスタジオ”でも演奏されたらしい。聴きたかった。またやって欲しい。
「ひかり」は心に染み渡るし、その後のカップリング曲たちもめちゃめちゃカッコいい。そして、とりわけ大好きな曲「ケモノノケモノ」がくる。この鍵盤のメロディのもとはドラムの潔が考えたのだが、それを聴いたメンバーがゲラゲラ笑ったという大好きなエピソードがある。本当に素敵で鍵盤の粒が可愛らしい楽曲なのだ。フジのダイちゃんがまたアジカンのサポートに入ってライブをする機会があったらば、是非この曲を演奏して欲しいという夢を、私は密かにずっと抱いている。
上記の曲たちに加え、この編集盤にも過去のライブ音源が入っている。

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いつだったか、フィードバックファイルツアーやりたいね、みたいな話をメンバーがしていたのを見かけた。本当に最高だと思うので是非やって欲しいものである。このアルバムはまるごとアジカンの歴史でもあると思うのだ。

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