アジカン『フィードバックファイル』をおすすめする話

アジカンの編集盤その1、アルバム『フィードバックファイル』。色んな記事で登場したこの音源について、曲の特徴などを綴っていく。

ちなみに以下の記事でアジカンのオリジナルについては色々書いてきた。

アジカンの概要やオススメ曲、アルバムの話~前編(2002~2008)~
アジカンのアルバムについて、どんな雰囲気か、どんな曲が入っているか、簡単に1枚ずつ紹介しています。前編は『崩壊アンプリファー』から『サーフブンガクカマクラ』まで。
オリジナルアルバムでファンが好きな曲3選~ASIAN KUNG-FU GENERATION編~
オリジナルアルバム縛りの大好き曲語り、今回はアジカン編です。《リライト》《ソラニン》のアジカンの既成概念を壊しに来ました。
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オリジナルアルバムとカップリング

上記の記事では「オリジナルアルバムで」という、しばりを入れて書いた。だからこそ、今回はカップリングなどの曲をまとめたアルバム『フィードバックファイル』について綴ろうと思う。何度かこのことを書いている気がするが、カップリング曲こそバンドの真価が問われると思う。カップリング曲が良いバンドは信用できる。
では話をはじめよう。

『フィードバックファイル』の収録曲

『フィードバックファイル』は2006年発売した。このアルバムは2003年代(曲の原型はもっと前だったりする)の楽曲から収録されている。1枚目のシングルのカップリングである「エントランス」は、まさに初期のアジカンらしい楽曲だ。最近ライブでよく演奏していたな、という感触があるのは骨芋ツアーでやってくれたからだろう。そういえば、ツアーがはじまってすぐに聴いたこの曲の演奏は、どこか当時の青々しさを感じてニヤニヤしてしまったが、ツアーが進むにつれて、今のアジカンの手に馴染んだのだな、と分かったのが面白かった。音が現在のアジカンになっていくのだ。こういう楽曲自体の変化もツアーに複数回行く醍醐味なのだ。
ロケットNo.4」は大好きな楽曲だ。サビをのびのび歌うのが気持ちよい。ライブで聴いてみたいが、全然やってない楽曲である。アジアンなリフもまたアジカンらしさの発露だと思う。
絵画教室」は、収録がこの編集盤だけという楽曲にもかかわらず、ファンの間で超根強く支持される楽曲だ。一言でいうとめっちゃ格好いい。ライブで演奏するなら、照明が赤と青に点滅するイメージだ。
夕暮れの紅」は2016年発売『ソルファ(再録)』の初回盤付属DVDにも収録されているのだが、なんとこの映像にはフジファブリックの金澤ダイスケが登場するのだ。ダイちゃん参加の再録「夕暮れの紅」も素晴らしいので、是非聴いてみて欲しい。
Hold me tight」は、かなり初期からある曲らしい。確かに英語の歌詞が、今聴くと逆に新鮮に感じると思う。アジカンは、ライブでの曲と曲の繋ぎが格好良くて好きなのだが、この曲は特に繋がれるさまがとても良い。今確認したらデビュー10周年以降やっていなくて、そうだったっけとびっくりした。そういえばあのときも懐かしい曲やります、みたいなことを言っていた。イントロの明るい軽やかさも、そこからロックに雪崩れ込むリフもアジカン印がくっきりしていてグッとくる。
フィードバック曲は、意外と2018年の骨芋ツアーの際に、久々に演奏された楽曲が多かった。あのツアーは本当に良いツアーだった。「ロードムービー」「永遠に」は素晴らしい曲だなあ、とあのツアーで再認識した。「飛べない魚」「堂々巡りの夜」もいつかどこかで聴きたい。この曲たち、ライブでやったことがあるのか……?

そしてこのアルバムについて触れるなら避けては通れない話題が「嘘とワンダーランド」だろう。この曲はギターの建ちゃんがボーカルなのだ。「アジカンのギタリスト喜多建介が歌うのだ!」という記事もあわせて読んでみて欲しい。

この『フィードバックファイル』にはライブ音源も収録されている。どれもこれも格好良くて最高だ。「アンダースタンド」は聴くたびにライブの煌めく夜を思い出す。

この1枚こそじっくり聴いて欲しい1枚なのだ。次回は編集盤第二弾「アジカン『フィードバックファイル2』の話」だ。

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