フジファブリックの大阪城ホール公演へ行った話

2019年10月20日、私は大阪城ホールにいた。
この公演は、フロントマンである総くんの、そしてファンも含めフジファブリックに関わる皆の夢だった。いや、夢にしていったのだ。フジファブリックの15周年を記念する公演を大阪城ホールでやることを。
あの日、あの場所に、フジファブリックの全部が揃っていた。来られない人の気持ちもきっと集っていたと思う。思い返せば本当に幸福に満ちた空間だった。
まだ、あの時間を全く消化出来ていない。だってあんなん、受け取ったものが大きすぎる。
さて、どこから話をはじめようか。今回は、ライブの皮みたいな部分の話を中心にしようと思う。

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ライブ前の物販、その他スポットの話

会場に着いたのは昼過ぎで、いつものツアーでは考えられないほどグッズは売り切れていた。単発公演なうえに、ウン千人も集まるライブだ、そりゃそうか、と思う。その具合は「フジファブリック大阪城ホールグッズ会場受取事前予約の記録」で書いた様子でも推して知るべしであろう。さて、そんなグッズを売っている会場入り口前の広場みたいな場所では、色んな催しも行われていた。会員限定の抽選や、フジファブリックが製作したプラモ(大阪城)の展示、フォトスポット、CD販売ブース(ここでも購入者に抽選があった)などお祭りのようだった。そして圧巻なのはフラワースタンドだ。ファンからも関係者からも個性的だったり美しい花たちが並べられていた。なかでも個人的に嬉しかったのは、ハナレグミやレキシからも贈られていて、隣同士だったことだろうか。

開場と開演

さて、そんなこんなであっという間に開場時間だ。色々広場で用事を済ませていたため、私は入るのが遅くなってしまったのだが、SNSで見かけて知ったのは、開演前にメンバー3人のアナウンスが入ったということだった。総くんのだけ聴けた。そういやそういうの、いつかのイベントでもやっていた、気がする、と臍を噛んだのであった。(ゆるいかの公録だったかな?)

さて、そんなアナウンスも入り、いよいよ客電は落ちる。ライブの詳しい内容は、またの機会にする。多分、円盤出るし。出るよね?(追記:出ました)

本当に良いライブだった。とても楽しかった。過去も未来もそして今も全部抱きしめるような、強くひたむきに前へ進んでいく歩みのような時間だった。個人的なハイライトは、「バウムクーヘン」(フジファブリック「バウムクーヘン」が大好きだから音源まとめ)と「透明」だ。まさかあの場所で聴けるとは思っていなかったから、めちゃめちゃ嬉しかった。
フジファブリックのどの時代の曲もすばらしく響き渡って、とてもいい夜だった。

ライブ後の喪失感と防止策

私は以前、BUMPのナゴヤドーム公演2日目が終わった後、ずっと妙な喪失感を抱えていてた。得たものしかないはずなのに、あの幸せな時間は終わってしまったという、心がポッカリとあいてしまったような気持ちで過ごしていた。それは、本当に本当に胸を打つ素晴らしい時間を過ごしたためで、自分の一部分をナゴヤドームに置いてきてしまったからだと思う。まだ追加公演も残っているのに、そんな心持ちだったのだ。
一方、発表が1年前に行われた大阪城ホール公演。満を持しての開催だったわけだ。終わった後、とてつもなく寂しくなるのではないかと、はじまる前からぼんやりそんなことを感じていた。正直、この1年のフジの動きはかなり活発だったので、もしかするとしばらく潜るのかな? くらいのことは頭を過った。身体も心配なので、少しは休んでくれよな、みたいな誰目線なんだ的なことも思っていた。
が、しかし。ライブも終盤に差し掛かるくらいだったか、面白公演情報とツアーの情報がもたらされたことによって、会場は歓喜の渦に包まれたのである。金澤ダイスケ生誕祭とか絶対絶対面白いじゃん。

終わった後もそんなに寂しくなくて、未来に希望が満ちるような、ウキウキとした楽しみが胸いっぱいに広がっていた。はじまる前に抱いていた寂しさみたいなものは吹き飛んで、喪失感を抱えずにすんだのだ。本当にそういうところがフジファブリックである。大好きなダイヤモンドホールでまたフジが聴けるかもしれない、そう思うだけでワクワクが止まらない。
大袈裟に言うならば、大袈裟に言わなくても、私は音楽に人生を救われ続けている。
あの日世界で一番幸福な場所にいた私は、そんなことを思ったのであった。

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