フジファブリック“Live at 日本武道館”に行った思い出話

2014年11月28日、私は日本武道館にいた。
フジファブリックにとって、10周年記念であり、単独で初の日本武道館公演だ。
今ほどフジファブリックにのめり込んでいないころ、良く遠征したなあと、当時のことを思い返すと感じるくらいのときだ。
さて、そんな、いうなれば軽い感じで昼過ぎに会場へ到着していた。物販列の脇には、今でこそ恒例と分かるグッズ紹介動画が流れており、それを見たりなどし、グッズを買った。
チケットはけっこう後にあった先行かなんかで取ったので、席は2階の後ろのほうだったと思う。座席に行ったときに見えた、ステージ真ん前の席に敷かれた赤絨毯エリアが面白かった。おそらくステージに超近い席(お土産付き)の区画だと思う。SMAモバイル先行での販売だった。ちなみに、本日行われる大阪城ホール公演では、FABch会員でプレミアムシートが用意された。

この武道館公演の模様は『Live at 日本武道館』という映像作品におさめられている。
そのため、今回はその場の雰囲気を中心に思い出して書いていく。余談だが、音源自体も配信限定であるので、持ち歩きたい人はダウンロードすると良いだろう。

そもそも武道館という会場には独特の雰囲気がある。あの建物に初めて足を踏み入れたのはフジだったので、当時はそわそわして、それを感じるどころではなかった。その感覚を改めて思い知ったのはアジカンの『20th Anniversary Live』のときだった。うちに漂う何とも言いがたい熱気、収容人数の割に近い距離感、特別な夜になりそうな予感、幾多の伝説が繰り広げられてきたというのもよく分かる。

いよいよフジの公演がはじまり、熱気がブワッと溢れた。オープニング映像から鳥肌が立って仕方なかった。その当時は楽曲ばかり聴くライトファンの私でさえ、涙がこぼれそうだったので、ずっとずっと応援していたファンの気持ちはいかばかりか。今の私の状態でその場にいたら、泣いて泣いてほんとダメだったと思う。
そして「桜の季節」からはじまるライブ。思い返せば印象的な場面は色々あった。「WIRED」の後ろの映像が面白かったこと、「星降る夜になったら」で一瞬音が落ちたような気がしたこと、「はじまりのうた」での底抜けの幸福感。そして、やっぱり「茜色の夕日」について書かないわけにはいかない。
前述したとおりライトファンだった当時の私は、「茜色の夕日」を聴いていたとき滝のように泣いていた。あとから振り返ると、あれは漫画『ONE PIECE』の頂上戦争編のエースの場面を読んで大号泣したときと同じ気がした。その頂上戦争編も、突然その数話前から『ONE PIECE』を読みだし、話の流れもよく分からないままその回を見たのだった。そしてめちゃめちゃ泣いた。
圧倒的に感情揺さぶる何かがあった。心が動かされる、というのはああいう瞬間たちのことを言うのだと思う。
最後の曲「STAR」は、世界が広がるようなどこまでも行けるような、そんな心地だった。
きらきらした気持ちを抱え、あの日帰路に着いたのであった。

いよいよ今日、フジファブリック15周年の大阪城ホール公演だ。散々ライブに行ってきたが、この心持ちは久々な感覚である。そういえば、色んなライブに行くようになる前は、前の日から落ち着かないような、待ち遠しいけど終わって欲しくないような、そんな気持ちを抱えていたっけ。どうかどうか、素晴らしい1日となりますように。

【今日の曲】
フジファブリック「はじまりのうた」『Live at 日本武道館』(2015年)

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