長期休暇に対するトラウマ

私は長期の休みにトラウマがある。
ある一時期、週に数回しか用事がない、という期間を数ヶ月過ごしたことがある。ほぼ全部自由時間だ、何をやってもいい。今思うと喉から手が出るほど欲しい、贅沢な時間だったが、当時を振り返ると心がひんやりする。
その果てしなく自由な時間、私は何をしていたか。

何もしていなかったのである。

正しくは、生産的なことを何一つとしてなしていなかったのだ。唯一たまにバイトには行っていた。それも週に2、3回を3~4時間程度だ。時間は有り余るが、こんな贅沢な時間の使い方が出来るのは今しかないと自覚していた。その結果が、惰眠を貪り、何度も読み返した漫画を手に取ることだった。
ではその時期の何が、私にトラウマを植え付けたのか。それはそのとき感じていたある思いだ。
当時、私の楽しみはご飯だった。朝ご飯を食べた後は昼ご飯何かなとずっと考えていた。昼ご飯の後は眠りこけ、起きたら夜ご飯は何かなと思っていた。
あまりに何もやらなすぎて、日々の楽しみが献立しかなくなっていたのである。
このときのことを思い出すたびに、過去の自分を殴りたくなるし、その時間をよこせとも思う。こうして、私は時間を使う自信を失っていた。自由な時間が増えても、あの日の献立ゾンビになってしまうのではないかと恐れていたのだ。

さて、今年10連休という奇跡が訪れた。私は出掛ける予定をひとつも入れなかった。10連休がはじまる前の平日に、ワクワクした気持ちで計画を立てた。家でこれをやろう、あれをやろう、時間割はこうしよう、と決めていった。
いざ、10連休がはじまる。「早起きするには?の実体験を書く」という記事に書いたように、私は暖かい時期になると5:30に目が覚めるのだ。この10連休でも変わらず5:30前後に起床していた。起きてからの行動はこんな感じだ。
歯磨きをし、水を飲む。ブログを書き、朝ご飯を食べる。文章を綴り、疲れたら休憩だ。漫画を読んだり録画を観たりする。その前後で散歩を30分程度する。歩くと思考が気持ちよく流れていく。そうこうしているうちに昼ご飯だ。食べ終わった後は好きなだけ昼寝する。本当は20分くらいが良いという話だが、なかなか収められない。目が覚めたら、部屋の片付けをはじめる。疲れたら本を読む。そうすると夜ご飯だ。夕食後はスーパー自由タイムだ。気ままに過ごす。そして1日が終わる。
こんな感じで非常に充実した10日間を過ごした。早くご飯の時間が来ないかな、と思うことがなかった。

この体験で、私は自信を取り戻した。沢山休みがあっても、自分の考えたとおりに過ごすことが出来るのだ、ということが分かったのである。だから、遠慮なく私に長期の休みを与えて欲しい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました