MVと呼ばれるものがある。ここではミュージックビデオ、ミュージッククリップ、プロモーションビデオ(PV)も同じニュアンスで使っている。
簡単に説明すると、ある1曲に映像をつけたものだ。例えばBUMPの「天体観測」なら、屋上でメンバーが演奏している場面、アジカンなら「リライト」のメンバーが空中で上下している場面、フジなら「銀河」の独特な踊りが思い浮かぶだろう。シングル曲やアルバム表題曲、タイアップ曲にMVも制作される印象が強いが、BUMPの「真っ赤な空を見ただろうか」のように、カップリング曲でも作られる場合もある。
さて、それをまとめた円盤がMV集であり、どのバンドもリリースを行っている。
ただ、最近はMV集という形ではなく、オリジナルアルバム特典DVDのラインナップのひとつとして、収録されることも多い。BUMPの『aurora arc』、フジの『FAB FIVE』などがいい例だ。
今までBUMPだと『ビデオポキール』、『jupiter』、『ユグドラシル』、『orbital period』『COSMONAUT』というほとんどはオリジナルアルバムと同一タイトルでMV集が発売されてきた。特典は、『jupiter』、『orbital period』はポストカードセット、他はミニポスターやステッカーがあった。例に漏れず、この映像集でも隠しがあり、出現難易度が高いのもBUMPらしい。やべえ面白映像が観られたりするので、ぜひ頑張ってみて欲しい。
アジカンの場合は「アジカンの円盤、映像作品集とは~前編:2004年から2009年~」で書いたとおり、映像作品集という一連のシリーズのなかでリリースされている。
フジは『FAB CLIPS』、『SINGLES 2004-2009【初回生産限定盤】』に『 FAB CLIPS2』、『FAB CLIPS 3』がある。『FAB CLIPS』は四季盤から「Birthday」、『 FAB CLIPS2』では「Surfer King」から「Anthem」+「花屋の娘」、『FAB CLIPS 3』は「夜明けのBEAT」から「はじまりのうた」という現体制2014年までのMVを観ることが出来る。
アジカンとフジはメイキングや、オーディオコメンタリー(副音声)も収録されている。副音声では、曲のことや撮影時の話、脱線ゆるゆる会話など色んなものを聴くことが出来て面白い。ラジオを聴いているような感じだが、その性質上、会話がもっとファンが聞きたいような、接近したクローズドなものになるのも嬉しい。
今でこそYouTubeなどで映像を観ることが出来るが、BUMPなんかMV集ぐらいでしか動いてる姿を観ることが出来なかったので、散々再生した(ネットでのインタビュー動画がもあったにはあった気がしないでもないが)。CDなど音楽媒体の形が変わって来ているように、MV集という形も変容していくだろう。でも、あの遊び心いっぱいの円盤たちもやはり自分にとっては大事な存在なんだよなあ、と思うのだ。
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