雨の日に聴きたい曲として、BUMP編、アジカン編を書いてきた。
今回はフジファブリック編だ。
フジファブリックの雨の曲3選
フジは聴き返すたびに、変な曲がいっぱいだなあと思う面白いバンドである。その一方で、「夜汽車」や「透明」みたいな曲もあるんだから、本当に振り幅が広い。
詳しく紹介する曲以外の「天気が悪そうな場面を彷彿とする曲」は、文末に並べておいた。
2005年発売アルバム『FAB FOX』
「雨のマーチ」
雨のマーチという字面で、この曲を想像しろというのは非常に難しい。端的にいうとすごく変な曲だ。雨のマーチなんてタイトル、ピチピチチャプチャプ可愛らしい感じを想像するじゃないか。一転、さすがはフジファブリックである。雨の鬱陶しさをうまいこと表現した空気感。雨粒が弾けるような音、どんよりとした気持ちを音にしたようなメロディ、歌以外の音が入るところと入らないところ、色んなバランスが見事に組み合わさった曲だ。そして、字面だけ見ればどこかで軽やかさも感じる歌詞も印象的だ。志村正彦節が、フジファブリック節が、炸裂している1曲である。「雨のマーチ」は印象が強烈なので、一度この曲を聴いたり、思い出したりするとしばらく頭から離れなくなる。なので、雨の日もこの曲に気を取られて、悪天は気づけば通り過ぎているのではないだろうか。
『FAB MOVIES』というドキュメント集で、リハにてこの曲をお茶目に歌う志村くんの姿が観られる。
2011年発売アルバム『STAR』
「Drop」
最近のFEVERMANツアーで久々に披露された楽曲だ。アコースティックギターの響きが心地よく、弾き語りがよく似合っていた。こういう聴かせる曲があるのもフジの強みだなあ、と思う。綺麗なメロディに対して、歌詞は葛藤のにおいがする。フジファブリックの曲には「黒服の人」や「クロニクル」など、これは……!と、どうしても色々考え込んでしまいたくなる歌があるのだが、この曲も私にとってはそうだ。せつなげで情景が脳裏に浮かぶ1曲である。
2014年発売シングル『LIFE』
「Surrender」
カップリング曲である。現体制フジファブリック節が効いている1曲だ。鬼のキーボード、鬼のギターという感じがする。重い何かが揺らめいているような感覚は「雨のマーチ」に通ずるものがある。一方、盛り上がった後、曲が展開し静謐で穏やかになる雰囲気が、この曲のヘンテコさを際立たせている。はじまりましツアーでこの曲を聴いたが、とても印象に残っている。暗い空に似合う、不穏で格好良く、でも進んでいきたくなるような1曲だ。
フジは、ストレートに雨降りという曲より、天気が悪そうな曲が多かったので、それも含めて並べておく。志村正彦全詩集に掲載のあるものはパラパラとめくって確認し、書いておいた。現体制もさらっと見ただけなので、また見つけたら追記しようと思う。
天気が悪そうな場面を彷彿とする曲 一覧
浮雲
お月様のっぺらぼう
桜並木、二つの傘
TAIFU
陽炎
蜃気楼
星降る夜になったら
Clock
Anthem
MUSIC
君は僕じゃないのに
Drop
LIFE
ブルー
卒業
Girl! Girl! Girl!
SUPER!!
手紙
山内総一郎にとって、通り雨は印象的な事象なのかもしれないな、と歌詞を読んでいて思ったのであった。
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