いつかの旅の記録~宮城編~

キノボリくんはライブのおかげで色んなところを訪れた。そのひとつが宮城県だった。

ライブがあった翌日、松島へ行こうと仙台から塩竃のフェリー乗り場へ向かった。なんで松島に行こうと思ったかは定かではないが、観光地を調べていたら「松島や」の場所が近くにある! と知ったんだか、数珠作り体験してみたい! と思ったんだか、そんな感じだったと思う。
そしてせっかくなら行きはフェリーで行って島々を見たいなあ、などと考えたのだろう。過去の自分はほぼ他人なので、こんなあやふやな物言いになってしまう。ちなみに帰りは電車で帰った。今マップを見て気づいたのだが、松島って、島じゃないんだね。島にまで線路通っててすごいな~とか思ってた。

それはさておき。松島はとても良い雰囲気だった。漫画『ハチミツとクローバー』( 羽海野チカ著、集英社)に出てきた橋を渡ったときは、なんだか感動した。意図せぬ聖地巡礼だったけど、やはり好きな作品にまつわる場所に行けるのはいいものだ。
瑞巌寺は広々として、シンと清らかな空気が漂っていた気がする。気持ちの良い場所だった。
数珠作り体験も非常に楽しかった。あとで数珠に使った石の説明を確認することが出来た記憶があるのだが、その時、気にしていたことが見事に現れた数珠になっており驚いた。無意識に欲しているものがこんなにも如実に出るとは、と少し恥ずかしくなって笑ってしまった。
その後は町を散策した。当時ずっと探していた欲しかったモノと出会ってとても嬉しかったのをよく覚えている。店のディスプレイに飾られていて、見た瞬間一目惚れしたのだ。今もそれは家にあって、見るたびに宮城の旅を思い出す。旅先でずっとのぞんでいた品物に出会うというのはこんなにも運命を感じるのか、と味を占めたのもこの旅だった。

観光地はもちろんのこと、旅の途中に寄った細い路地や懐かしい気持ちになる商業施設、宿泊地などなんてこともない出来事が諸々印象に残っている。
こういう記憶が、この旅が自分だけのものであることを証明してくれる気がする。
また宮城に行きたい。

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